良識ないテレビ報道で各種犯罪が伝播
2008年4月28日
ここのところ、硫化水素自殺が相次いでいる。まるで伝染病のように日本全国に伝播し、連日硫化水素自殺が報道される。多分、報道を見て、触発され実行に移してしまうのであろう。そのことは、硫化水素自殺にとどまらない。例えば、殺人事件にしてもそうだ。同じような身内を殺めるような殺人事件が、やはり日本全国で起こり連日報道される。マスコミの報道姿勢を考え直さなければならない。何でも、見境なしに報道するべきではない。視聴率や購読者数獲得のための競争で、愉快犯のごとく報道するのではなく、その影響まで考慮して報道すべきだ。
今回の北京オリンピック聖火ランナー騒動にしても、やはり世界的に報道され、映像がメディアを通じて流されるから、ドンドンドン騒動はエスカレートしていった。関係のない思想的組織までもが、騒動に便乗し暴力的行為を繰り返すという事態にまで発展した。平和の祭典であるはずのオリンピック。その聖火リレーは、全世界の人々を失望させた。時代は変革し、メディアもどんどん変化している。インターネットなどのウェブを中心に広がり、人々の情報量も各段に広く大きく進化した。その変革の加速度に、それらの情報を受け止める人々の意識向上が必ずしも比例してはいない。そこのところにも、大きな問題がある。
本来、人間には「理性」というものがある。だが、昨今、「人間の理性」とは、儚いものになってしまった。人々の「自制心」に頼ることは、もはや期待できない。だとすれば、報道するにあったって、今まで以上に慎重に、どのように報道し、どのような報道姿勢で臨むか、ということを報道人側が真剣に考慮して報道しなければならない。そんな時代なのだ。メディアの影響力は絶大である。だからこそ、報道する側の責任も重いのだ。その辺の認識を、マスコミ人は今まで以上に強く持って欲しい。面白おかしく報道する、視聴率や購読率だけを意識した、愉快犯的な報道姿勢だけは、勇気を持って払拭して頂きたい。