ウェストバンクに関してのオバマ大統領の勇気ある声明
2011年5月20日
オサマ・ビンラディン掃討作戦の際のオバマ大統領の決断には、近年の歴代大統領にない勇気とリーダーシップを感じた。しかし、世間では、ビンラディンを殺害したことで批判の声が高まっていた。表面的なことだけを見ると、確かに殺害したことに問題があるように見えるが、その決断にいたる経緯を注意深くみれば、如何に勇気ある決断でありその正当性が理解できる。そのことを今回のイスラエルに対する声明で、オバマ大統領は見せ掛けでないリーダーシップであることを証明した。
今回のウェストバンクに関しての声明でも、ただの茶番ではなくオバマ大統領が本気で、また勇気ある決断ができるリーダーであることを我々に見せてくれた。イスラエルに対して、今回の声明のような物言いをできる大統領は近年一人もいなかった。それは、アメリカの社会構造や政治構造を理解すれば理解できることだ。ピラミッドの頂点を牛耳るユダヤ系アメリカ人が、大きな影響力を持つアメリカ社会で、イスラエルを批判することは非常に勇気のいることだ。日本人が想像する以上に、これは経済的にも政治的にも大きなことだ。間違いなく、イスラエルのこれまでのパレスチニアンへ対しての言動には問題があった。戦後、イギリスが主導で、無理やりあの場所に割り込んでイスラエルという国を創設したにも関わらず、ずっと住んでいたパレスチニアンを限られた場所ウェストバンクやガザ地区に追いやり、それでも足りずに壁を立てたり無差別ミサイル攻撃をしたり、諸々の理不尽をやってきた。ユダヤ人はナチスに理不尽な行為を強いられた民族であるにも関わらず、そのことを轍とするのではなく、同じようなことをパレスチニアンに対してしてきたことは大いに問題である。そして、そのことは、中東の平和を崩している大きな原因の一つである。
そのような状況であるにも関わらず、アメリカ社会が実質ユダヤ系アメリカ人によって動いているといっても過言でない状況にあるため、歴代の大統領はイスラエルに対し揉み手状態で、今回のようなことを言えた大統領は一人もいなかった。オバマ大統領の大統領として、国のリーダーとして資質が非常に高いことを、今回の声明は証明した。大いに評価したい。立派な大統領である。私はそう思う。