太陽の力、太陽の思い
2011年5月13日
太陽の活動には複数の周期が存在するそうだ。その最も顕著なものだが、十一年周期と呼ばれる磁場反転だ。だが、最も大きな影響を地球が受ける周期は、五十年周期だと言われている。この五十周年周期の際にも、十一年周期と同じように強い太陽嵐が地球を襲う。そして、地球全域で天変地異が繰り返される。前回の一九五八年には、今回と同じような三陸地震と口永良部島で大噴火が頻発した。また、激しい太陽フレアとコロナ質量放出が発生し、アラスカのフェアバンクス市では、まるで宇宙が爆発してしまうのではなかろうかと思うほどに明るいオーロラが観測された。赤道直下の国メキシコでも、三度に渡ってオーロラが観測されたという。翌年一九五九年には室戸台風が猛威を振るい四天王寺の塔が倒壊した。翌々年の一九六○年には、静岡地震があった。実は、今年二○一一年と来年二○一二年は、正にこの五十年周期の真っただ中なのだ。五十年前とは、生活様式も社会構造も違い、地球上で人類は目を見張る進化を遂げている。コンピューターによるネットワークは、地球を細かい網の目で覆い、電子機器なくして生活は成り立たなくなった。このような状況下、NASAは五十年周期に伴う最大の太陽嵐が到来するのは二○一三年五月と予測している。一番NASAが懸念していることが、地球の周りを周回する無数の人工衛星への影響だ。電子部品の多くが太陽嵐の影響を受け破損すれば、地球規模での大パニックが起きかねないという。
こうやって見てみると、やはり地球は太陽の影響を受けて生き続けているということだ。宗教の多くが太陽神を祀っていることも、人々が自然に地球に生きる者にとっての太陽の重要性を体得してきたからであろう。ギリシャ神話やエジプト神話、日本神話の天照大神、そして、仏教における大日如来が太陽神である。地球が悲鳴を上げているということは、太陽神が怒っているということだ。もっと単刀直入に言えば、太陽と共に生きなければならないにもかかわらず、人間がエゴで太陽の営みに逆らったために起こった震災であったのかもしれない。物質文明に翻弄され、贅沢三昧で自分勝手な個人主義を生きる私たち人間に対し、太陽神が警鐘をならしたと思えて仕方がない。