政財界倶楽部         (恩田将葉見聞録)

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金正恩の立場と本音

金正恩の立場と本音
2012年7月22日

 突然の朝鮮人民軍総参謀長リ・ヨンホの解任のニュースが、先週世界中を駆け巡った。北朝鮮内部で、大きな動きがあるのではないかという憶測が飛び交い、日本を含め多くの関係国が固唾を飲んだ。だた、実際には、真実を未だ読み取ることできずにいる。その直後、金正恩が元帥の称号をえられたというニュースが再び世界を駆け巡った。その他にも、金正恩の傍らに付き添う女性が妻なのか妹なのかという話が、同じ頃人々の興味をひいた。どれもこれも、憶測でしかない。だが、それらの目に見える事実を客観的に分析すると、自ずといくつかの答えが見てくるように思う。

 報道直後、短絡的に誰もが考えたことは、中国寄りの叔父チャン・ソンテクと軍部の権力者リ・ヨンホ氏の確執が形となり、結局リ・ヨンホが負け失脚することになり、一挙にチャン・ソンテクの勢力が政権内部の大きな力にとってかわったのではないか、ということだった。だが、冷静にこれらの動きを見聞しつつ、金正恩の経歴に思いを巡らし、彼の立場を鑑みれば、ある答えが自然と出てくるように私は思えてきた。それは、政治的でも、軍事的でもなく、金正日と金正恩という親子関係からの思いの違いということだ。子金正恩の親への反抗心ということであるように思える。正恩は正日を親として尊敬している。だが、その遣り方に関しては、必ずしも意見を同じくしていたのではないかということだ。存命中は、そういう風には言わなかったが、海外経験のある正恩としては、反発する気持ちもあったのではないかと思われる。

 普通この十代から二十代の時期、男は男親の遣り方を否定することから、全てが始まる。勿論、誰もがそうであるとはいわないが、その確率は高い。私の場合もそうであった。今は、亡父を尊敬し、あの頃の亡父の立場や遣り方も理解でき受け入れることも、いやそれどころか自分が間違っており、亡父が正しかったとさえ思えるようになった。だが、十代、二十代の頃は、一番身近なライバルとして馬鹿げてはいるが1から10まで否定してしまう傾向がある。特に、海外経験などをしてくると、その傾向が顕著であるように、自分の経験を踏まえ感じる。

 金正恩も、正にそのような心境にあるのではないか。それだけではない。彼の場合は、命懸けである。私のような俗人ではなく、一つ目の前の選択肢を誤ってしまえば、途端に命を落としかねない綱渡り的な状況に身を置いているのだ。笑いごとではなく真剣だ。少々、話が逸れてしまったが、そういう状況に彼は身を置いている。ここで、話を本題に戻す。

 金正恩は、海外で見聞を広げ教育を受けている。自由主義国家に身を置き、資本主義社会も、世界のことも彼自身の目と耳で見聞した経験がある。当然、北朝鮮という国が、世界で特異な国であることも、彼自身が一番理解しているはずだ。そのような、経験をした人間が、あの国の元首となったのだ。変革が起こって当たり前。だが、新しい動きへの反発は大きいはず。その反発を静かに回避しながら、現実のものにしていくことが、彼にとっての試練であり役目であるように感じる。その第一弾が、今回のリ・ヨンホの解任劇であったように私は感じている。当初、叔父チャン・ソンテク一派により為された権力闘争と思っていたが、自分の側近中の側近、軍部へのパイプ役であったリ・ヨンホを解任し、死に追いやったのは金正恩自身であったように思えてきた。何故なら、考えても、リ・ヨンホのような人間が、海外で見聞経験のある金正恩と思想信条を共有できるとは思えないからだ。リ・ヨンホは、金正恩の父親故金正日によって側近として側に着けられ親しくしていた。だが、どんなに親しくしていたとしても、心の根っこの部分では相容れないところがあったのではないか。だが、リ・ヨンホからしたら、「正恩同志の若気の至り」と一蹴していたのであろう。正恩の考えに耳を傾けるようなことはなかったはずだ。その結果、今回のような解任劇に発展したのではないかと思える。しかし、それは、衝動的な解任劇ではなく、金正恩としては、故金正日が亡くなった日以来、虎視眈々と時期を待っていたのではないか。何時かは、リ・ヨンホを遠ざけ、自分が海外で学んできたことを自由闊達に実現させたいと。そのためには、先軍政治を止め、比重を軍から党に移行しなければと思ったように思う。それは、ある意味尊敬する彼の祖父金日成への回帰でもあり、国民が望んでいることでもあるように正恩は思ったのではないか。

 現在の政権内部では、多分金正恩にとっては、中国とパイプが太く、北朝鮮外部の世界を間接的ではあるが知っているチャン・ソンテク叔父との方が、多分意見も考え方も合うのであろう。義理とはいえ叔父という立場であり、きっと親近感があるのであろう。ある意味、北朝鮮内部では、保守ではなく革新だ。外国経験のある金正恩も革新といっていいだろう。だとすれば、受け入れやすい立場であるに違いない。そのような状況下、諸々の環境が熟し、奇襲的にリ・ヨンホ解任劇が為されたのではないか。流血の事態になり、20名ほどの人間が命を落としたと聞いている。多分その犠牲者の中に、リ・ヨンホ自身がいたに違いない。後の反発、クーデターを懸念すれば、国の為に粛清して当然であろう。

 それでは、今回のリ・ヨンホ解任劇の理由は何であった? 答えは簡単だ。一番の理由は、リ・ヨンホが韓国砲撃事件の張本人であったということだ。世界的にも、故金正日的にも、金正恩の手柄づくりにあの砲撃事件が為された。だが、金正恩本人としては、非常に心外で望んでいなかったことであったのであろう。海外経験があり、自由主義国家で生活したことのある人間だ。そう考えて当然。彼からしたら、多分あの砲撃事件は、多くの罪なき人々の命を絶った不名誉な事件であったと感じていたのであろう。同時に、父親である故金正日が推し進めていた先軍政治自体に、大きな疑問を感じていた。自分が元首になった場合、亡父故金正日の推し進めた体制ではなく、尊敬する祖父である故金日成のような党主導の体制を推し進めたいと思ったのではないか。その証拠に、彼は風貌を祖父に似せるだけでなく、彼の立ち居振る舞いなども非常に故金日成を意識していることは見て取れる。チャン・ソンテクの後ろ盾になっている中国政府も、そんな金正恩を、故金正日よりも御し易いと思いだしているのではないか。そもそも、本来中国政府は、立場上、北朝鮮の世襲を快く思っていなかった。今までは、チャンスさえあれば、金正恩を排除して、チャン・ソンテクを押し上げ、傀儡政権をと模索していた。だが、チャン・ソンテクに国家をけん引する能力まではないと見ている中国は、ここにきて金正恩を上手くあやつり、傀儡政権を実現することも可能ではないかと思い出したのかもしれない。これは、まだ現段階ではかなり中国自体にとっても、将来的な掛けではあるであろうが。

金正恩にとっても、自らの命を守るためには、軍部リ・ヨンホに頼るよりも、チャン・ソンテクの背後にいる中国にすり寄った方が、色々な意味で得策であると判断したのであろう。将来的なことを思えば、自由主義国家で生活経験のある自分自身を担保にして、中国を揺さぶり父故金正日がしたように瀬戸際交渉にて立場を確立すればよいと判断したのであろう。少なくとも、その方が生き残りの確立は格段に高い。誰も、死にたいと思っている人間などいない。ましてや、あのような立場にいれば、既得権益を守ることは最重要課題であるはずだ。それには、守ることは、まず改革することと考えたのであろう。その第一段階が、今回のリ・ヨンホ解任劇であり、先軍からの脱却ということであったのであろう。自ら丸腰になることで、損して得取れ、利を得ようということなのだろう。

 実際、北朝鮮の経済状態の現実を金正恩が知らないわけがない。実状を知っていれば、自由主義国家で、資本主義に触れてきた経験のある彼からしたら、思想よりも実である経済発展をとるという考え方は、非常に自然である。その第一歩が、今回のリ・ヨンホ解任劇であり、自らの元帥就任であったのであろう。そして、側に妻を常に置くことで、内外に向かって改革の先頭にたっていることを表そうとしているのではないか。今までとは違う、自由主義諸国と同じように、国民皆に自由があるのだ、ということを間接的にアピールしようとしているようにさえ思える。そのことは、ここのところの北朝鮮での数々の出来事にも表れているように思う。

これは、私の個人的な観測である。だが、裏を返せば、このようになってくれればとも思ってのことであることを理解して頂きたい。私は、歴史上の史実も、親子愛や母性愛、家族愛という愛を排除して考えると真実を見失い、殺伐としたものにしかならず、ある意味本質が見えてこないように普段から思っている。各種愛という化学反応があり、歴史は積み重ねられていくと信じている。何故なら、歴史は、人間によって積み重ねられているからだ。故に、このように歴史を自分なりに、裏返して見るように普段から心掛けている。そのような見方で、北朝鮮も見てみると、リ・ヨンホ解任劇、そして、その直後の元帥就任と、今までの常識とは違った見方ができるように思えてきたので、ここに記すこととした。
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by seizaikai_club | 2012-07-22 16:56 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮ミサイル発射に垣間見える中国の思惑

北朝鮮ミサイル発射に垣間見える中国の思惑
2012年4月9日

  北朝鮮ミサイル発射が目前に迫った。この騒動を通じ、色々なことを我々日本人は学ぶべきだ。大切なことは、北朝鮮にとっての太陽は中国であるということ。そして、日本と韓国にとっての太陽はアメリカであるということだ。賛否両論はあるであろう。だが、現実を直視すればそういうことになる。太陽系において地球をはじめとする惑星は、太陽があって生きていられる。そのことを忘れては、地球の存在はあり得ない。同じことが、北朝鮮にとっての中国、日本や韓国にとってのアメリカと言える。これは現実だ。そのことを忘れて、この問題を議論することはできない。結局のところ、時代は変わっても、少々飛躍した表現だが代理戦争なのだ。冷戦時代以前と違うことは、それぞれの関係国も意志を持っているということだ。日本には日本の意志がある。韓国には韓国の意志がある。そして、北朝鮮にも北朝鮮の意志がある。それを如何に抑止できるかが、中国とアメリカの腕の見せ所である。それには、まず関係各国の思惑をよく理解しなければならない。アメリカは、朝鮮半島にこれ以上の負担を強いられたくない。単刀直入に言えば、戦争をする気はない。できれば、韓国への駐留も最小限の範囲内におさめたい。中国も、北朝鮮をアメリカと直接対峙しないように干渉国として存続させたい。だが、これ以上の負担を強いられたくはない。ましてや、朝鮮半島に核などということは、百害あって一利なしだと思っている。金日恩と密接な関係にある金英徹(キム・ヨンチョル)人民武力部総偵察局長が、故金正日の妹金敬姫(キム・キョンヒ)党部長の隣で拍手をしていることは尋常でない順位を無視した光景であった。これは現在の北朝鮮内部の微妙な力関係を表している。故金正日の実の妹金敬姫党部長の夫即ち金日恩の義理の叔父である張成沢(チャン・ソンテク)は、急激に存在感を表してきた。彼は、故金正日によって四度も左遷された。何故なら、彼は改革路線を推進し、中国と密接な関係を持っているからだ。彼は、金英徹とは微妙な関係だが、新しい軍指導者李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長とは親しい関係にある。どういうことかというと、中国は万が一に備えて、張成沢という捨石を布石することで、金日恩体制が崩壊しても、北朝鮮が崩壊しないように危機管理をしているということだ。金日恩世襲後、対外的に中国は金日恩を煽てている。だが、やはり世襲は望まないということだ。有事の際に、金日恩と共に北朝鮮という国が死なば諸共とならないように選択肢を用意しているのだ。中国にとって北朝鮮は、朝鮮半島統一によりアメリカと直接対峙しないための大切な干渉国であるということだ。日本は、北朝鮮に侮られぬよう領空侵犯があれば迎撃するべきだ。しかし実際には、ミサイル発射は大きな問題ではない。北朝鮮を左右するのはやはり中国であり、極東のパワーバランスの鍵を握るのは中国であるということを理解するべきである。
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by seizaikai_club | 2012-04-09 07:23 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮の今後の有様

北朝鮮の今後有り様
2011年12月20日

昨日、北朝鮮の特別放送により、17日午前8時半に故金正日総書記が心筋梗塞により急逝したとの発表があった。世界中に緊張が走り、色々な憶測が駆け巡った。個人的にいくつかのことを思う。一つは、本当に17日視察中の汽車の中で発作を起こしたのであろうか、大きな疑問をまず感じた。普通に考えて、17日に急逝して、たった2日間で28日の国民葬儀を段取りできるであろうか。非常に不自然である。彼の死に当たっては、準備がいる。どういう形で、発表するか、その後の対応をどうするか、対処しなければならない。にもかかわらず、17日に亡くなり28日に葬儀というのは常識的にいってあり得ないと私は思う。それでは、どういうことかといえば、逆算すれば亡くなったのは17日ではなくそれより以前であったということだ。因果関係はわからないが、ここ少し前に各メディアが興味を示していた北朝鮮アナウンサー女性が姿を消していたことが、故金正日総書記の急逝を暗示していたのではないかと想像できる。多分、彼女が姿を消していた期間に、今後の体制を整えたり、葬儀の時期を計ったり、諸々のことが準備されていたに違いない。死の謎は、この記事では敢えて触れないが、その可能性も色々想像できる。汽車の中は密室、諜報活動に於いては一番暗殺等が為し易い密室であるのは常識だ。だが、そこまで想像することは、もう少し時間を経てからにする。

故金正日総書記の死の謎よりも、興味深いいことは、今後の北朝鮮の行方だ。このことについて、私なりの視点で読み解くこととする。ハッキリ言って、キーポイントはやはり中国だ。中国というのはどれだけ運が強いのか、と今回思った。昨日は、この機に乗じて脱北者が押し寄せることを中国政府は懸念していた。だが、七転び八起き危機を好機にかえてしまう、災い転じて福となす中国らしい方向性を想像することができる。

まず、中国、韓国、日本、そして、アメリカ近隣関係国の利害が、北朝鮮の今後に大きな影響を及ぼす。日本とアメリカは、北朝鮮の存在意味自体どのような形で存在するかに思いを巡らせてはいない。アメリカは、できるだけお金と人を使わずに朝鮮半島の安定が得られればそれでいい。日本も、アメリカと同じようなスタンスだ。一つだけ違うのは、拉致問題解決という点だけである。ところが、中国と韓国は、少々日本とアメリカとはスタンスが違う。韓国では、統一を旗印に表向き南北統一を希求しているけれども、実際には統一が実現すれば経済的に北朝鮮の経済が韓国経済まで道連れにしてしまう可能性が非常に高い。それは、韓国政府にとっても、アメリカにとっても望まないことだ。一方中国政府も、北朝鮮と韓国が朝鮮半島を統一することを望んでいない。理由は、別にあるが、中国政府としては、敵国であるアメリカと同盟関係にある韓国と国境線を接することになってしまう。中国は望まないことだ。中国としては、北朝鮮を死に体状態で緩衝地帯として存続させたいのだ。ところが、故金正日総書記を操るのは案外大変であった。痛みや、経済的な負担も大きかった。ところが、故金正日総書記が亡くなった今、中国として否定的であった世襲問題などの問題も含め、共産主義国として、色々な意味で面目を保つことができる。

今回、故金正日総書記の死という岐路にたち、間髪を入れずに中国が北朝鮮に対し大きく舵を取り出したことは、大いに理解できる。そのメリットを上げてみると非常に多い。1)世襲を形として否定できる。2)傀儡政権を期待できる。3)日本海側の北朝鮮の港を自由に使えるようになる。4)アメリカとその同盟国と直接接触しないための緩衝地帯としての意味。5)中国国内で大きな少数民族である朝鮮族に脱北者が加わる巨大化する独立運動の可能性を抑え阻止できる。6)北朝鮮軍を支配し極東アジア地区のパワーバランスに影響を与えることができる。7)北朝鮮を傀儡政権にしてしまえば、経済的に逼迫するアメリカにとってもプラス面が大きい。8)中国にとっては、アメリカに対し恩を売ることができる。9)中国にとっては、朝鮮半島まで含め、拡大政策の地理的可能性が広がる。このように、数え上げると中国にとってのメリットが非常に大きいことが理解できる。それだけではない。何より、疲弊しきっている北朝鮮国民にとっても、飢えから逃れる一番の近道であるといえる。こうやってみてみると、この形が、どの関係国や当事者たちにとっても、利害が合致し一番望まれる形であることがみて取れる。あとは、改革のスピードである。北朝鮮は最低1年は喪にふすであろうが、中国は足踏みすることなく、迅速に対応するのではないかと私は思っている。多分、北朝鮮軍部の中で、中国とパイプがあり緊密な連携をとれる人材が、その道筋をつけ、徐々に金正恩三代目の包囲網を強くし、飾りものにしていくのではないかと想像できる。多分、唯一、武力による動きが出る可能性は、その時である。勿論、中国側ではなく、金正恩側からである。だが、結果的にいえば、中国に制圧され、粛清する大義名分にされてしまうであろう。中国は、そこまで計算しているかもしれない。そんな風に、私は考える。
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by seizaikai_club | 2011-12-20 09:47 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮軍部による小規模クーデター勃発

北朝鮮軍部による小規模クーデター勃発
2011年2月2日

 時事通信によると、北朝鮮の採鉱現場で、食糧難に抗議しての軍部将官が中心になっての小規模な反乱行動が起こったとのこと。反乱というと少々大袈裟になるかもしれないが、抗議行動であったようだ。しかし、金政権はこれをクーデターととらえ、関係将官を処分したとのことだ。

 本格的な金政権を転覆する目的のクーデターではないようだが、これは極めて異例で、今までこのような情報が入ってきたことはない。これは、いよいよ食糧難が深刻化し、人々は金政権に対し不満を膨らませているということかもしれない。今までは、不満があっても強権独裁政治下の北朝鮮で、政府に反抗することはイコール命を捨てることであった。よって、誰もそんな行動は起こさなかった。だが、ここにきて、三代目への継承劇などのこともあり、疲弊した北朝鮮の人々が動きだしたということかもしれない。アメリカ政府も、今回のこの反乱行動を含め、北朝鮮の今後の動向を極めて注意深く注視することを決めたようだ。アメリカとしては、今朝の産経新聞でも指摘しているが、金正日他界後の金正恩の軍事的暴発、具体的には核弾頭を使っての軍事的行動を極めて高いレベルで懸念している。即ち、暴発に備えての対抗措置へ向かっての準備を開始したということだ。

 少々、飛躍しすぎた話という人々もいるかもしれないが、軍事戦略とはこういうことだ。何かことが起こってからではなく。起こる前に万全を期する。それが米軍ならびにアメリカ政府の中では常識的な対応策なのである。
これがアメリカはじめ他国に於ける危機管理ということだ。残念ながら、日本は、この危機管理意識があまりにも貧弱すぎる。
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by seizaikai_club | 2011-02-12 11:23 | 朝鮮半島情勢

ビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事訪朝の意味

ビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事訪朝の意味
2010年12月16日

 今日、ビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事が訪朝した。オバマ政権の特使としてではなく、プライベートで北朝鮮側から招待されたとのことだ。その通りだろう。現在、オバマ政権は金正日の予想に反して強硬姿勢を貫いている。この強硬姿勢を打破する目的で、北朝鮮側からビル・リチャードソンは招待されたのであろう。

 彼は、1994年の朝鮮半島危機の際、ビル・クリントン政権下で国連大使を務めており、渦中ソウルのアメリカ大使館におり、北朝鮮の「ソウルを火の海に」という宣戦布告を受け、カーター元大統領をピョンヤンに飛ばした立役者だ。ある意味、北朝鮮にとっては、アメリカを妥協策へと導く隠しカードということなのかもしれない。

 多分、北朝鮮側は、彼を招待することで、オバマ政権との調整役を頼むのではないかと思われる。ある意味、北朝鮮側も現在は手詰まり状態で、砲撃だ、核戦争だと威勢のよいことをいっているが、このままそういう方向に進まされてしまえば、結局は最終的にアメリカによって軍事的に叩き潰されてしまうことになりかねない。それでは困ってしまうので、リチャードソン州知事を来賓として呼び寄せ、打開策を模索しようというところであろう。

 彼は、ビル・クリントンにも近く、現在強硬派の先頭をいくヒラリー・クリントンへの懐柔策にも使えるとみたのであろう。だが、この北朝鮮の思惑は甘い。今回は、そんなに簡単にアメリカ側は折れない。ましてや、ヒラリーの凍った心を溶かそうなどというのは100年早い。女性の恨みは、男性の恨みよりも深くて強い。解凍することは難しいであろう。

 ただ、ここで気になるのは、リチャードソンを歓待しつつ重要な伝書鳩にもしようとしている可能性も考えられる。それは、今回の黄海上での米軍と韓国軍の共同演習へ対しての牽制として、核魚雷ならびに核機雷の存在をアメリカ政府に伝える役目だ。さほど大きな核弾頭でなくとも、航空母艦を沈没させる目的ならば問題ない。核機雷や核魚雷に装着するには十分なのだ。だとすれば、既に、その程度の核弾頭は完成している可能性は非常に高い。そのことを、オバマ大統領に伝えるという役目を、リチャードソンに課す可能性はある。容易には、朝鮮半島には近づけないぞ、という威嚇であろう。

 そうはいっても、核機雷であろうが核魚雷であろうが、万が一アメリカ海軍の艦船をターゲットにしてしまった場合、その後の北朝鮮の末路は言わずと知れている。それをしてしまえば、金正日の首は離れたも同然だ。そんな馬鹿なことを、彼がするわけもないし、そんな度胸はないように思う。だとすれば、結局は今まで通りのただの脅しであり、瀬戸際外交ということになる。

 ここが正念場である。アメリカも、今までのように安易に妥協せず、今回は最後の最後まで強硬に対峙すべきである。そこで北朝鮮側が、どのように出るかを見極める必要があるように思う。それでも、強硬にでてくれば、それはそれ、もう残された道は一つであるということだ。
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by seizaikai_club | 2010-12-16 23:49 | 朝鮮半島情勢

攪乱扇動諜報活動が開始されたとの情報

攪乱煽動諜報活動が開始されたとの情報
2010年12月5日

 韓国ヨンピョン島への北朝鮮による砲撃から2週間が過ぎた。あの衝撃的なニュースが流れて以来、朝鮮半島の緊張は高まっている。そんな状況下、米韓合同軍事演習が黄海で行われ、アメリカ海軍空母ジョージ・ワシントンが、空母としては初めて黄海上を航行し停泊して軍事訓練を行った。続いて、昨日より日米合同軍事演習が、日本海、東シナ海、四国沖、沖縄近海など複数個所で行われている。第7艦隊主要艦船のみならず、400機の戦闘機、爆撃機、対潜哨戒機など、実戦経験のある精鋭航空機軍団も参加し、朝鮮半島を囲む海上は一触即発状態だ。

しかし、北朝鮮も馬鹿ではない。自ら墓穴を掘るようなことはしなであろう。もし、攻撃を仕掛ければ、演習に参加している米軍に叩きのめされてしまうことは火を見るより明らか。喧嘩上手で我が身大事な金正日が、そんなことをするわけがない。北朝鮮が攻撃をするとすれば、合同軍事演習終了後、小規模な攪乱戦のような局地戦であろう。そのターゲットは、必ずしも韓国のみということではない。勿論、我が国日本も含まれると考えた方が自然だ。

 案外日本の政治家は気付いていないが、北朝鮮が核弾頭の製造に成功した暁に、どこをターゲットにするかといえば、それは日本しかない。中国やロシアは、北朝鮮にとっては同盟国。打ち込むはずがない。アメリカ本土までは、現在北朝鮮が所有するミサイルでは現実的には届く確率は非常に低い。韓国は、地続きで近すぎる。特にソウルは、北朝鮮に近すぎ自らも手負いになる可能性が高い。そうやって消去法で、ターゲットをあぶり出せば、日本が残る。アメリカは、そのことを百も承知だ。そうやって逆算していくと、アメリカが対北朝鮮政策をどのようなタイムスケジュールで進めているかが見えてくる。

 アメリカは、北朝鮮が近々再度の核実験を行うとみている。問題は、その後、核弾頭を実際に完成させるまでに、アメリカは北朝鮮問題を決着させたいと思っている。何故なら、北朝鮮が核弾頭を保有すれば、そのターゲットが日本になることは明らかだからだ。そうなる前に、ある程度の決着つけるようなタイムスケジュールをアメリカは立てている。それには、いくつかの理由がある。

 その最大の理由は、北朝鮮の崩壊が秒読み段階に入ったとアメリカの諜報機関が見出したからだ。昨年実施された滅茶苦茶なデノミ以来、北朝鮮国民は困窮を極め、いよいよ追い詰められだした。今までは、金正日強権政治により、北朝鮮国民は反抗することも許されなかった。だが現在は、窮鼠猫を噛む状態で、反抗しなくとも食糧難で餓死の道しかないと追い詰められた北朝鮮国民の心は、既に本音でも建て前でも金正日政権から離れてしまっている。人の心が動いた時、革命や動乱を起こすことができることは、アメリカ諜報機関が何処の誰よりもよく知っている。後は、起爆剤となる、煽動や攪乱の為の諜報活動員が、色々な噂を流布し人々を煽動すればよいだけだ。そして、そのような諜報活動員たちが、既に3ルートより北朝鮮内部に潜入したとの情報が流れてきている。3ルートとは、中国国境ルート、韓国38度線ルート、そして、日本よりの在日朝鮮人による万景峰号ルートだ。

 これらのルートを使った攪乱煽動要員は、既に北朝鮮に入り活動を始めている。民衆による暴動を扇動する目的だ。だが、実際には、他国のケースとは違い、北朝鮮の場合には、民衆を扇動しても大きな影響がでるとは思ってはいない。だがそれでも、アメリカ軍が動くには大義名分が必要なのだ。同時に、このままでは、中国が経済的にも大きな負担を覚悟の上で援助をしなければならなくなる。だが、国際社会でも、存在感を著しく上げてきている中国にとっては、ある意味非常に迷惑な話なのだ。北朝鮮問題で、ジレンマに陥っているのは中国だ。そこで、アメリカは、中国に貸しをつくるべく、水面下で中国と北朝鮮問題で落としどころを模索している。以前にも書いたが、可能性のある選択肢は以下の三つ。

1)アメリカは、北朝鮮金正日政権打倒に手助けはするが、崩壊後は中国が金一家を亡命者として引き受け、大韓国民は自由に行き来が出来るという条件のもと、朝鮮自治区経済特区として中国に帰属させる。
2)韓国によって、朝鮮半島を統一させ、アメリカと韓国主導で民主主義国家を成立させ朝鮮半島の平和を維持する。
3)このまま、北朝鮮という国として存続させ、金正日と金正恩政権を崩壊させる。この選択肢の場合、今まで通りの贅沢な生活と命を保障し、彼等を中国に亡命させ長男金正男をトップに据える。アメリカもしくは中国による傀儡政権を成立させるのだ。この場合、中国寄りになるか、アメリカ寄りになるかは、金正男の考え方によることになる。

 第2案の可能性が高いというコメンテーターが多いが、私は第2案の可能性は一番低いと思っている。韓国にとっては、非常に大きな経済負担となり、アメリカにとっても、朝鮮半島に対する負担が軽減するどころか増す可能性が大きい。また、中国にとっても、国境越しに、アメリカの同盟国と対峙することになり、この案では三者の利害が合致しない。よって、可能性は一番低いと思う。

 第1案は、以前から私がずっと言い続けているアメリカと中国が書いた、一番可能性の高いシナリオだ。この案だと、三者の利害がそれぞれ満たされる。

だが、ここにきて、第3案の可能性が急浮上してきた。何故なら、金正男が彼のCIA人脈と交渉を始めたという噂が流れてきている。この方法だと、金正日と金正恩を中国に強制亡命させるだけですみ、一番北朝鮮にとっても痛手が少ない。それだけではない。アメリカや韓国、中国にとっても、無駄な出費が抑えられ、しかも朝鮮半島の平和が確保できる。

 果たして、どの案で決着がつくのだろうか。暫くは、朝鮮半島から目が離せない。このような緊迫した状況下、どちらにしても、日本政府は、ブレることなく、軸足を確りと定め、地に足を付けて、北朝鮮問題を最優先課題として対処するべきである。軸足がブレれば、その弱みに付け込み、北朝鮮は必ず日本に何らかの行為を仕掛けてくる。今こそ、日本政府、菅政権の危機管理意識と愛国心が問われる時だ。いずれにしても、アメリカの大統領選挙、中国胡錦濤から習近平への権力移譲がなされる二年後までに、何らかの結論が出るように思う。それまでに決着がつかなければ、この問題が泥沼化することは間違いない。やはり、如何なる理由があろうとも、三代世襲で国家が運営されるということは、北朝鮮国民にとっても、世界にとってもこれ以上の悲劇はない。私は、そう思う。
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by seizaikai_club | 2010-12-05 16:28 | 朝鮮半島情勢

黄長燁(ファン・ジャンヨブ)元北朝鮮労働党書記が死去

黄長燁(ファン・ジャンヨブ)元北朝鮮労働党書記が死去
2010年10月10日

 時事通信によると、1997年韓国に亡命した元北朝鮮労働党書記であった黄長燁(ファン・ジャンヨブ)氏が、心臓マヒで死去したとのことだ。韓国政府は、厳しい警備態勢下にあり自然死であると断定した。しかし、金正恩が国際デビューを果たした直後のことである。これが暗殺でないと、即座に断定する方が不自然であるような気がする。昔と違い、現代の諜報機関は、ターゲットを心臓マヒに陥れ、自然死を装って目的を達成することなど簡単だ。そういう薬や神経ガスは、存在する。また、厳しい警護下であったというが、その警護の中に、北朝鮮の息が掛かった人間が紛れ込んでいなかったとは限らない。韓国政府の中にも、現政権を面白く思っていない勢力もあるわけであるから、検死を含めて原因究明を怠らないでほしい。

 金正恩にとっては、三代目の世襲であり、これは世界政治史からいっても稀なことであり、中国政府も大きな拒絶反応を示していることだ。もちろん、北朝鮮国内にも、腹の中で疑問を感じている人間は多い。そのような状況下で、金正恩が権威付けをする方法で、手っ取り早いのは恐怖政治の断行、即ち金正日が権力継承時に行ったラングーン爆破事件や大韓航空機爆破事件などのようなテロ行為に絞られてくる。そのスタートとして、北朝鮮にとって最高幹部の一人であった裏切者の黄長燁(ファン・ジャンヨブ)元北朝鮮労働党書記を暗殺することは、彼らにとっては非常に意味のあることであろう。今後の動向に注目したい。
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by seizaikai_club | 2010-10-10 14:36 | 朝鮮半島情勢

1994年朝鮮半島危機と同じく「ソウルを火の海」声明

1994年朝鮮半島危機と同じく「ソウルを火の海」声明
2010年6月13日 

 北朝鮮の軍総参謀部は12日、韓国軍当局が哨戒艦沈没事件の対抗措置として表明した「心理戦」の再開について「重大布告」を発表し「全前線において心理戦手段を痕跡もなく清算するための全面的な軍事的打撃行動に進入することになる」と警告した。韓国軍は、軍事境界線一帯で宣伝放送用拡声機などの設置を進めているが、北朝鮮側は「ソウルを火の海」という表現まで使い反発した。(毎日新聞ニュース)

 これは、1994年の朝鮮半島危機の際とまったく同じ言葉を使っている。あの時は、「ソウルを火の海」という声明が出されて24時間以内に、大きな危機感を感じた在韓アメリカ大使が独自に動き、ジミー・カーター元大統領を動かし、ジミー・カーターが時の大統領クリントンを説得し、特使として翌日にはピョンヤン入りを果たし、金正日との非公式会談により、何とか総攻撃開始30分前に危機を回避した。既に双方とも準備は完了しており、キッシンジャー大統領補佐官など空爆強硬派に賛同する政治家ならびに軍幹部は秒読み段階に入っていた。北朝鮮側も、既に攻撃態勢は整っており、最終命令が下りソウルへのミサイルならびに遠距離砲の引き金が引かれる寸前のところであった。

 当時アメリカ側は、開戦直後30分でソウルが焼け野原になることは想定されていたが仕方なし、ということでその後の空爆で完全に金政権を打倒というシナリオで進もうとしていた。だが、カーターの働きかけで、双方を一旦抜いた剣を鞘に納め事なきを得た。しかし、アメリカは北朝鮮側に折れる形で苦湯を飲まされた。ヒラリー・クリントン国務長官は、この時の怨念を今でも胸に抱いている。そのことが、今回の危機がどういう展開を見せるかの一番大きなポイントではないか。

 日本は、沖縄基地反対などと寝ぼけたことをいっているが、既に在日米軍は、万が一に備えての臨戦態勢に入っている。ことが起きてからでは遅いのだ。これこそが、目には見えないが抑止力だ。だが、果たして、今回はこの抑止力が働くものか否か。北朝鮮もなかなか強かである。油断はできない。
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by seizaikai_club | 2010-06-13 16:43 | 朝鮮半島情勢

キューバ危機を参考に方針転換しだしたアメリカの北朝鮮対策: CIA関係者が頻繁に金正男に接触する理由

キューバ危機を参考に方針転換しだしたアメリカの北朝鮮対策:
CIA関係者が頻繁に金正男に接触する理由
2009年6月15日

 アメリカのケーブルテレビ局「カレントTV」記者のローラ・リン(中国系)とユナ・リー(韓国系)は、今年三月十七日、中国への越境者の動画を撮影するため、図們市の南部月晴鎮村の豆満江沿岸で隠し撮りをしていた。勿論中国側でのことだ。ところが、突然北朝鮮兵士がどこからともなく現れ、彼女達が撮影をしている中国側に越境してきた。そして、二人の身柄を拘束し北朝鮮側に連行していってしまった。この二人のアメリカ人記者が、豆満江沿岸で越境者の動画撮影をしていることは、インターネット上に掲載された情報などを通じ、事前に北朝鮮側に知られていた。そのような状況下、北朝鮮軍幹部より彼女達の身柄拘束が北朝鮮沿岸警備隊に命令されていたという情報もある。どちらにしても、拘束されたアメリカ人女性記者二人に対し、六月八日、北朝鮮中法裁判所は、民族敵対行為と不法入国の両罪で有罪を確定し、十二年の労働教化刑を下した。この判決を受け、アメリカ政府内部では俄かに対北朝鮮の対応に関して二つの方針が新たに、そして、隠密裏に打ち立てられた。一つは対話と交渉、そして、もう一つは奪還である。アメリカでは、国益の第一義がアメリカ国民の生命とする意識が全国民的に高く、アメリカ人の命が脅かされる事態が生じた場合のアメリカ政府の対応を侮ってはいけない。北朝鮮政府は、そこのところを理解し間違えると、今までとは違った結果が導き出されてしまう可能性もあることを理解しなければならない。

 今回の方針転換を見ていると、非常に面白いことに気付く。それは、暗殺されたケネディー大統領時代、彼が大統領就任中最も大きな出来事ともいえるキューバ危機を参考に、オバマ大統領が方針転換をしたことである。まだ、目立った動きは一般には見えていない。当然のことだ。あの当時も、ギリギリまで一般市民には、キューバにソ連の核弾頭搭載可能中距離ミサイルが配備されようとしていたことは明かされなかった。何故なら、シアトル以外の全ての主要都市が射程圏内に入るということで、非常に大きな脅威にアメリカ本土が曝されることになり、そのことを知った国民がパニックを起こすことをケネディー大統領は懸念したのだ。結局、作戦会議を繰り返した後、ケネディー大統領自身が、米三大ネットワークを利用して国民に事実を公表した。その辺の詳細は、映画「Thirteen Days」をご覧になれば容易にご理解頂けるであろう。

 キューバ危機の際も、1996年の朝鮮半島危機や今回同様、軍幹部や強硬派の政府関係者は、空爆と侵攻を強く推した。しかし、ケネディー大統領は非常に冷静だった。早まったことをすれば、報復があるのみと判断したのだ。そして、軍幹部などは大統領の命令さえ無視するのではないかと思われるほど、冷静なケネディー大統領の判断を軽蔑し公然と中傷しているような状況下、軍事的圧力ではなく臨検という方法で、ソ連からキューバに運び込まれる物資を完全に封鎖するという方法を選択し実行した。同時に、水面下で、グロムイコ駐米ソ連大使と喧々諤々な交渉を続け、飴と鞭という手法でソ連がキューバからミサイルを撤去するところまで打っ棄った。だが、一つ間違えば核戦争が起こっていたかもしれないほど、歴史上大きな危機で、アメリカにとっては、1991年の同時多発テロと共に「リメンバー」という単語を使って永遠に語り継がれる危機であった。あの時は、幸いなことに、弟の故ロバート・ケネディーをはじめ、冷静に物事を見極めることができる側近がケネディーの周りにはいたので大事に至らずに済んだ。だが、今回の北朝鮮危機に関し、私が懸念しているのは、オバマの側近だ。北朝鮮の案件に関し直接的担当責任者でヒラリー・クリントン国務長官だ。そして、現在の状況が、あまりにも1996年の朝鮮半島危機の状況に酷似しているところにも大きな不安を覚える。あの時は、強硬派のキッシンジャーが軍事的解決策を推し進めようとし、時のクリントン政権もその方向で動いた。具体的にいえば、軍事介入、空爆という方法であった。だが、ソウルにいた当時の在韓米国大使が、その情報を聞きつけ、そのような軍事的強硬策を回避しなければということで奔走した。当時、北朝鮮側から、「三十分でソウルを火の海にする」という一方的な宣戦布告がアメリカと韓国へ対して出された。その理不尽な宣戦布告から全てが動き出した。ソウルを火の海にすることは北朝鮮にとっては容易なことだ。ミサイルなど使う必要もなく、先制攻撃すれば長距離砲でかなり大きなダメージを与えることができることは、在韓米軍も検証済みであった。

 そのような厳しい状況か、当時の在韓米国大使が冷静にまず行った対応策は、親しくしていた民主党のカーター元大統領への電話であった。それほど差し迫っていた。そして、キッシンジャーは強硬派で知られ、タカ派中のタカ派だ。緊迫した状況であることを察知したカーター元大統領は、直ぐにクリントン大統領に直談判し、北朝鮮と民間レベルで交渉することの許可を貰った。そして、そのまま一民間人としてピョンヤンへ飛んだ。それらの一連の動きは、何と二十四時間以内に全てが行われたという。驚きだ。日本では絶対にあり得ない臨機応変で寛容なアメリカらしい出来事だ。そのカーターを追うようにして、当時米下院議員だった現ニューメキシコ州知事のリチャードソン氏が、クリントン大統領の特命を受けた特使として急遽ピョンヤンへ飛んだ。後三十分で、北朝鮮はソウル攻撃を開始するという段階まで差し迫っていた。カーター元大統領による電光石火のアメリカ政府との連係プレイ―による対応で、危機一髪のところで無事事なきを得た。しかし、アメリカは、北朝鮮に事実上負けた形であった。結局は、北朝鮮側の理不尽な要求をのみ、アメリカ側が膝を折った形になった。

 さらに私が懸念するのは、ここの部分である。民主党政権下では、過去に同じようなことが頻繁に起こっている。そして、その度ごとに、判断を間違いアメリカは屈する形になってしまっている。確かに、戦争は回避でき、最小限の犠牲者で終結はしている。だが、大きなシコリを残し、未来に宿題を残す形になってきた。実は、カーターは、まったく同じような軟弱対応をイランに対しても、自分が大統領就任中にしている。その結果、アメリカとイランは、今でも犬猿の仲といってもいい緊張した状況が続いている。

 ただ今回、民主党政権下ではあるが、一つだけ今までとは違うことがある。それは、ヒラリー・クリントンが国務長官であるということだ。穏健なリベラリストの民主党にありながら、ヒラリーは武闘派といっても過言ではない。そのヒラリーが国務長官であるということは、今回の事件を通じ、アメリカが北朝鮮政策を方向転換するキッカケになる可能性を大きくしている。何故なら、負けん気の強いヒラリー・クリントンの中では、1996年の朝鮮半島危機は、夫であるビル・クリントンの政権がなした汚点の一つとなっているからだ。そして、彼女はあの時のツケを今回の事件を通じて払おうとするのではないかと思われるからだ。また、この事件の被害者となっているのは、アメリカ人女性であるというところにも、ヒラリー・クリントンが闘志を燃やしている理由があるのではないかと思われる。ヒラリー・クリントンは、オバマ大統領に対し、北朝鮮への強硬策を民主党の名誉のためにも、夫クリントン元大統領の名誉のためにも、そして、アメリカ合衆国の名誉のためにも、ということで執拗に迫っているという情報が入ってきた。そのことが、どのような結果を生むかは分からない。だが、時として、歴史には落とし穴があるものだ。その落とし穴を、北朝鮮が踏まないという保証はどこにもない。むしろ、今回北朝鮮が落とし穴に足を取られる可能性が俄かに出てきたように思う。その理由の一つは、今回の事件に関しては、北朝鮮の内部事情である後継者問題が大きく影響しており、北朝鮮側はそのことに目を奪われているため、アメリカの感情的な変化に気付かず、重大かつ誤った判断を下すのではないかということだ。アメリカは、自国民の生命に関わる事案に関しては、容赦ない対応をする可能性が非常に高い。そのことは、アメリカという国を知る人間なら誰でも知っている。そして、歴史を振り返ればそのことは容易に知ることができる。また、同時にアメリカ人は、アメリカという国、国家、そして、国旗に対し大きな忠誠心と誇りを持っている。その誇りを汚された時、アメリカ人が持つ、底力が驚くべき大きなパワーとなって発揮される。今回、北朝鮮との歴史の中で、アメリカが耐え忍んできた屈辱が、アメリカ側より爆発しないことを祈る。このことを回避するには、北朝鮮側が、譲歩し頭を下げるしか方法はない。だが、後継者問題があり、必要以上に強気な言動を繰り返す北朝鮮は、現在アメリカへ対し盲目状態であるといっても過言ではない。間違いなく、アメリカの感情は沸騰寸前まで達している。いや、国務長官ヒラリー・クリントンの感情が沸騰寸前まで達しているといった方が正しいかもしれない。だが、これは非常に危険な状態であると私は思っている。条件が揃い過ぎている。① アメリカの誇りを傷付けられ続けた。② アメリカ人女性記者二人の生命が危機に曝されている。③ クリントン元大統領が受けた屈辱へのリベンジ。という三つの条件だ。だが、そうはいっても、最終決定をするのは、時の大統領オバマだ。いかにヒラリーがオバマを説得できるかが、今後の北朝鮮へ対してのアメリカの対応の行方であるといっても過言ではない。

 オバマ大統領は、人の意見に左右されない自分自身の芯を持っている大統領だといえる。しかし、そのオバマ大統領が、ヒラリー・クリントンの案に圧される可能性が実は非常に高い。その理由は、幼少期オバマ大統領がインドネシアに居住していた頃の身近な知人に、北朝鮮によって拉致されている者がいるからだ。そのことがあり、オバマ大統領は今までのどの大統領よりも拉致問題を理解しており、同情もしているからだ。大統領の職についている人間が、感情論で大きな決断を下すとは思えない。だが、まったく決断に影響がでないとも言い切れない。

 今回の事件の一番大きな問題点は、北朝鮮は過去のアメリカとの交渉経験より、またぞろ無理難題をアメリカに飲ますことができると高を括っているところにある。そして、そのことが、後継者問題に於いて、後継者指名された三男の手柄の一つになるぐらいの軽い気持ちでいるところにある。今までとは違うということに気付かないと、北朝鮮は虎の尾を踏むことになる。6月9日にヒラリー・クリントン国務長官が、CNNの独占インタビューで、ならず者国家に再指定する可能性を示唆したことは、実は非常に大きな意味を持っており、彼女からの北朝鮮へ対しての宣戦布告とも取れる。そのことに北朝鮮は気付くべきである。既に、三月に事件が起きた直後より、司法省内部ではFBIを中心に事件解決のための特捜部隊が編成され活動している。また、軍部でも、奪還作戦に向け、特殊部隊による具体的な奪還訓練が繰り返されている。

 日本のメディアによるインタビュー等で、金正男は亡命を否定した。また、遠回しな言い方ではあるが、自分が後継候補から外れ弟が後継候補になった旨をも認める発言をした。ということで、今盛んに報道されている三男が後継者に指名されるということは間違いないであろう。この一連の流れのなかで一番注目すべきところは、亡命は否定した金正男の顔色である。明らかに、今までメディアに登場した金正男の様子とは違う。明らかに怯えている様子が言動や顔色から見て取れた。それだけではない、以前から彼は、北朝鮮国内よりも海外に広い人脈を持っていることで知られていた。勿論、各国の諜報機関の人間とも多くの接点を持っている。色々な意味で彼は、世界を見る視野を持っており、複数の外国語をも流暢に使いこなせる金正男が後継になることが、北朝鮮にとっても最善の選択肢であるように思えた。だが、実際には、彼の側近が粛清され、彼自身も国外に退避している状態である。そのような状況下、金正男はここにきて彼の人脈の中でもCIAの人間と頻繁に接触するようになっている。理由は簡単だ。命拾いをしたい金正男と、万が一米国人記者救出作戦をキッカケに軍事的有事が起こった際、当然のことながら、アメリカが軍事介入もしくは侵攻しなければならなくなった場合、金正日政権を打倒した後に傀儡政権が必要となる。その際、金正男の使い道が出てくる。そういう意味で、金正男とアメリカの利害が合致したようである。だが、飽くまでの可能性の一つであり、必ずそうなるとは限らない。ただ、もし有事となっても、アメリカが北朝鮮を軍事支配するという可能性は非常に低いように思う。考えられる当事国間での妥協案は、金正日政権を打倒し金政権から解放すると同時に、アメリカがお膳立てして中国の傀儡政権を金正男に建てさせるという可能性が一番高いように思う。そうしなければ、中国を敵に回すことになる。何故なら、中国にとっては、軍事戦略上北朝鮮の存在は必要不可欠であるからだ。アメリカにとっては、そこまで切迫はしていない。アメリカの前線としては韓国や日本がいる。必ずしも大変な思いをして北朝鮮を軍事支配する必要性はあまりない。金正男は、自由を既にしっている。一度自由の匂いを嗅いだものは、もう二度と後戻りはできない。そのことをアメリカはよく知っている。例え、金正男が中国の傀儡政権を建てたとしても、金正男はアメリカを敵視したりすることはないということをアメリカ知っている。何故ならば、金正男は既に物質文明の洗礼を受けてしまっており、贅沢を捨てることはできない人間になっているからだ。

 いずれにしても、恐ろしい早さで北朝鮮を巡る歴史が動き出したのかもしれない。ただ、未だ水面下での動きなので、気付く者は少ない。寝ぼけた日本の政治家のどれだけが気付いていることか。一旦有事となれば、日本に火の粉が降りかかってくる可能性だってある。いや、その可能性は非常に高い。だとすれば、麻生総理をはじめ、日本の政治家ももっとこの問題に大きな注意を払うべきであるように思う。6月9日に麻生総理が口にした、北朝鮮へ対しての強硬姿勢を露わにした発言は、このようなアメリカの腹の内を知ってのことなのかもしれない。だとすれば、アメリカの本気度を伺い知ることができる。そして、総選挙の時期にも影響が出る可能性は大いにある。今の北朝鮮の言動を見ていると、一つの大きな山場が7月中旬以降にあることが見て取れる。だとすれば、八月初旬解散総選挙での動きにも少なからず影響が出る可能性は非常に高い。暫く目が離せない状況だ。
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by seizaikai_club | 2009-06-15 01:18 | 朝鮮半島情勢

過剰反応しないことが北朝鮮問題では肝要

過剰反応しないことが北朝鮮問題では肝要
2009年6月2日

 いつものことだが、日本のマスコミも政府も、北朝鮮が何かをすると過剰反応する。このことが北朝鮮を増長させていることに気付かなければ、結局は北朝鮮の思う壺だ。

 北朝鮮は、地球上に存在するならず者国家であることは間違いない。地球上に存在する200近い国々の中で、指定暴力団のような存在だ。ただ、かなり腕の良いならず者だ。自分から何かをしでかし因縁をつける。そして、そのことに対し相手国が騒ぎたててれば、この時とばかり逆手にとっておの手この手で、自分達が優位にたつよう居直り難癖をつけてくる。そんな恐喝手法に、アメリカも過去複数回、北朝鮮の思う壺で、彼らに振り回されてしまった。なぜなら、北朝鮮の挑発に過剰反応してしまうから彼らの思う壺にはまってしまうのだ。

 今回のことも、まったく同じ方程式で北朝鮮は騒いでいる。兎に角、騒がず知らん顔でほっておくことだ。そうすれば、因縁のつけようもく、居直りようもない。為す術を失い、ドンキホーテを演じることだけになる。

 本気で、日本の国土にミサイルを撃ち込めば、アメリカを中心にした同盟国より反撃を受け、自滅することは彼らが一番よく知っている。北朝鮮から先制攻撃すれば、日本をはじめ同盟国側に攻撃の大義名分ができてしまうことを彼らは誰よりも理解しているのだ。同時に、日本の憲法9条のこともよく理解している。だから、強気で挑発してくる。その挑発に、視聴率欲しさでのってしまう日本のマスコミの浅はかさ、それを利用して自分達をアピールするための材料にしている政府の愚かさには、呆れて開いた口が塞がらない。

 北朝鮮にとって、一番困ったことは、相手にされず無視されることである。何故なら、あれだけ経済的に困窮しているからだ。かまってもらわなけえば、恐喝して物資を搾取することもできないのだから。確かに、真珠湾攻撃を決行せざるを得ないほどに日本を追い詰めた経済封鎖と同じようなことが、現在北朝鮮へ対してもなされている。度が過ぎれば、「窮鼠猫を噛む」ということにもなりかねない。しかし、その兆候は、必ず事前に察知できる。だとすれば、過剰反応せず無視して、追い詰めることが、北朝鮮に対してはどんな方法よりも効果的であることは間違いない。兎に角、過剰反応しないことが肝要なのだ。
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by seizaikai_club | 2009-06-02 16:17 | 朝鮮半島情勢

「政治をもっと身近に」をスローガンにして、日本人にもっと「愛国心」を喚起すべく語る。
by seizaikai_club
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政財界倶楽部代表  恩田将葉
 「政治をもっと身近に」をスローガンに、一人でも多くの日本国民が政治に関心を持ち、参加してくれるよう、執筆活動、出版活動等を通じ「愛国心」啓蒙活動をしている。国際化が進む世界の中で、日本の政治も若者の手で変革しなければならない!!

 政財界倶楽部代表恩田将葉は、 アメリカ合衆国カリフォルニア州で約9年間生活。その間、サン・フランシスコ州立大学(San Francisco State University, SFSU)国際関係学部で国際関係学と政治を学び、朝鮮半島問題専攻で卒業。その後、暫くアメリカで現地法人の会社(People Intertrade, Inc.)を経営した後帰国。帰国後は、記者と編集者を経て出版社である株式会社ぴいぷる社と株式会社政財界出版社、そして、夕刊紙「内外タイムス」を発行する株式会社内外タイムス社の社長に就任。活字業界一筋に生きてきた。現在は、経営から一歩引き、国際情勢ならびに政治を中心に、ジャンルを問わず執筆活動を継続中。プロの文士として、随筆、小説、脚本等あらゆる分野で執筆活動を展開し、文章を綴ることを天職としている。そのかたわら、日本に、嘗てのごとく「愛国人」を増やすべく、「政治をもっと身近に」をスローガンに、自ら「政財界倶楽部」を運営している。

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