政財界倶楽部         (恩田将葉見聞録)

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カテゴリ:朝鮮半島情勢( 31 )

緊迫する北朝鮮情勢

現代視点 2013年3月号(3月10日発行)
緊迫する朝鮮半島情勢

北朝鮮が、三度目の核実験を行い、その上、「アメリカが北朝鮮に対し核への導火線を点ければ、我々もアメリカ本土を攻撃するだろう」と金正恩は息巻いた。また、韓国との不可侵合意を全面的かつ一方的に破棄し無効にすると挑発してきた。これに対し、中国、ロシアも含め、朝鮮半島の非核化を求め、国連安保理に於いて制裁決議案が全会一致で可決された。このとこは、金正恩の存在自体が、首の皮一枚で繋がったとさえいえる。
確かに、過去にも北朝鮮のこのような挑発行為は数限りなくあった。しかし、実際に、実行されることはなかった、と多くの評論家は楽観的なコメントをしている。
だが、今回はちょっと状況が違うように思う。まず、核実験に先立って、事実上大陸間長距離弾道ミサイル実験を成功させている。このことによって、北朝鮮から発射されたミサイルが、遠くカリフォルニア、ロサンジェルスの辺りまで着弾する可能性が出た。そんな矢先に、三度目の核実験も成功させ、今回は核弾頭として使用可能な核実験に成功したと発表している。
このことは、直接的にアメリカ本土に危機を及ぼすことで、アメリカがなおざりにしておくとは思えない。危機が存在するならば、事前にその危機を排除する対応を為すことは、アメリカの危機管理という観点から、最優先課題と位置づけられている。ということは、裏を返せば、金正恩が虎の尾を踏んだことになる。いや、踏まされたのかもしれない。
今まで、故金正日は、ギリギリの線で一歩を踏み外すことはなかった。そのことで、アメリカは、北朝鮮に翻弄され続けてきた。
だが、今度の金正恩がやっていることは、明らかに見返りを得るのではなく、自分自身の首を絞めていることだ。その証拠に、国連安保理で制裁決議が、中国、ロシアにも受け入れられた。前代未聞であり、このとことは、裏を返せば、アメリカに危機回避のための軍事行動へ対しての大義名分を与えていることになる。そのことに気付いてないのだとすれば、金正恩は愚か者である。あるいは側近に陰謀を企てている者が複数存在するとしか思えない。そして、そのことの裏で糸を引いているのは、中国かもしれない。アメリカによる核施設及びミサイル基地へのピンポイント攻撃。そして、金正恩の暗殺掃討作戦。あり得ることだ。
どちらにしても、朝鮮半島情勢に新たなる動きが起こる予感がする。そして、そのことが、極東の平和維持バランスに大きな影響を及ぼすことは間違いない。それは、中国が日本海への道を確保するということなのだ。
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by seizaikai_club | 2013-04-01 00:52 | 朝鮮半島情勢

金正恩の立場と本音

金正恩の立場と本音
2012年7月22日

 突然の朝鮮人民軍総参謀長リ・ヨンホの解任のニュースが、先週世界中を駆け巡った。北朝鮮内部で、大きな動きがあるのではないかという憶測が飛び交い、日本を含め多くの関係国が固唾を飲んだ。だた、実際には、真実を未だ読み取ることできずにいる。その直後、金正恩が元帥の称号をえられたというニュースが再び世界を駆け巡った。その他にも、金正恩の傍らに付き添う女性が妻なのか妹なのかという話が、同じ頃人々の興味をひいた。どれもこれも、憶測でしかない。だが、それらの目に見える事実を客観的に分析すると、自ずといくつかの答えが見てくるように思う。

 報道直後、短絡的に誰もが考えたことは、中国寄りの叔父チャン・ソンテクと軍部の権力者リ・ヨンホ氏の確執が形となり、結局リ・ヨンホが負け失脚することになり、一挙にチャン・ソンテクの勢力が政権内部の大きな力にとってかわったのではないか、ということだった。だが、冷静にこれらの動きを見聞しつつ、金正恩の経歴に思いを巡らし、彼の立場を鑑みれば、ある答えが自然と出てくるように私は思えてきた。それは、政治的でも、軍事的でもなく、金正日と金正恩という親子関係からの思いの違いということだ。子金正恩の親への反抗心ということであるように思える。正恩は正日を親として尊敬している。だが、その遣り方に関しては、必ずしも意見を同じくしていたのではないかということだ。存命中は、そういう風には言わなかったが、海外経験のある正恩としては、反発する気持ちもあったのではないかと思われる。

 普通この十代から二十代の時期、男は男親の遣り方を否定することから、全てが始まる。勿論、誰もがそうであるとはいわないが、その確率は高い。私の場合もそうであった。今は、亡父を尊敬し、あの頃の亡父の立場や遣り方も理解でき受け入れることも、いやそれどころか自分が間違っており、亡父が正しかったとさえ思えるようになった。だが、十代、二十代の頃は、一番身近なライバルとして馬鹿げてはいるが1から10まで否定してしまう傾向がある。特に、海外経験などをしてくると、その傾向が顕著であるように、自分の経験を踏まえ感じる。

 金正恩も、正にそのような心境にあるのではないか。それだけではない。彼の場合は、命懸けである。私のような俗人ではなく、一つ目の前の選択肢を誤ってしまえば、途端に命を落としかねない綱渡り的な状況に身を置いているのだ。笑いごとではなく真剣だ。少々、話が逸れてしまったが、そういう状況に彼は身を置いている。ここで、話を本題に戻す。

 金正恩は、海外で見聞を広げ教育を受けている。自由主義国家に身を置き、資本主義社会も、世界のことも彼自身の目と耳で見聞した経験がある。当然、北朝鮮という国が、世界で特異な国であることも、彼自身が一番理解しているはずだ。そのような、経験をした人間が、あの国の元首となったのだ。変革が起こって当たり前。だが、新しい動きへの反発は大きいはず。その反発を静かに回避しながら、現実のものにしていくことが、彼にとっての試練であり役目であるように感じる。その第一弾が、今回のリ・ヨンホの解任劇であったように私は感じている。当初、叔父チャン・ソンテク一派により為された権力闘争と思っていたが、自分の側近中の側近、軍部へのパイプ役であったリ・ヨンホを解任し、死に追いやったのは金正恩自身であったように思えてきた。何故なら、考えても、リ・ヨンホのような人間が、海外で見聞経験のある金正恩と思想信条を共有できるとは思えないからだ。リ・ヨンホは、金正恩の父親故金正日によって側近として側に着けられ親しくしていた。だが、どんなに親しくしていたとしても、心の根っこの部分では相容れないところがあったのではないか。だが、リ・ヨンホからしたら、「正恩同志の若気の至り」と一蹴していたのであろう。正恩の考えに耳を傾けるようなことはなかったはずだ。その結果、今回のような解任劇に発展したのではないかと思える。しかし、それは、衝動的な解任劇ではなく、金正恩としては、故金正日が亡くなった日以来、虎視眈々と時期を待っていたのではないか。何時かは、リ・ヨンホを遠ざけ、自分が海外で学んできたことを自由闊達に実現させたいと。そのためには、先軍政治を止め、比重を軍から党に移行しなければと思ったように思う。それは、ある意味尊敬する彼の祖父金日成への回帰でもあり、国民が望んでいることでもあるように正恩は思ったのではないか。

 現在の政権内部では、多分金正恩にとっては、中国とパイプが太く、北朝鮮外部の世界を間接的ではあるが知っているチャン・ソンテク叔父との方が、多分意見も考え方も合うのであろう。義理とはいえ叔父という立場であり、きっと親近感があるのであろう。ある意味、北朝鮮内部では、保守ではなく革新だ。外国経験のある金正恩も革新といっていいだろう。だとすれば、受け入れやすい立場であるに違いない。そのような状況下、諸々の環境が熟し、奇襲的にリ・ヨンホ解任劇が為されたのではないか。流血の事態になり、20名ほどの人間が命を落としたと聞いている。多分その犠牲者の中に、リ・ヨンホ自身がいたに違いない。後の反発、クーデターを懸念すれば、国の為に粛清して当然であろう。

 それでは、今回のリ・ヨンホ解任劇の理由は何であった? 答えは簡単だ。一番の理由は、リ・ヨンホが韓国砲撃事件の張本人であったということだ。世界的にも、故金正日的にも、金正恩の手柄づくりにあの砲撃事件が為された。だが、金正恩本人としては、非常に心外で望んでいなかったことであったのであろう。海外経験があり、自由主義国家で生活したことのある人間だ。そう考えて当然。彼からしたら、多分あの砲撃事件は、多くの罪なき人々の命を絶った不名誉な事件であったと感じていたのであろう。同時に、父親である故金正日が推し進めていた先軍政治自体に、大きな疑問を感じていた。自分が元首になった場合、亡父故金正日の推し進めた体制ではなく、尊敬する祖父である故金日成のような党主導の体制を推し進めたいと思ったのではないか。その証拠に、彼は風貌を祖父に似せるだけでなく、彼の立ち居振る舞いなども非常に故金日成を意識していることは見て取れる。チャン・ソンテクの後ろ盾になっている中国政府も、そんな金正恩を、故金正日よりも御し易いと思いだしているのではないか。そもそも、本来中国政府は、立場上、北朝鮮の世襲を快く思っていなかった。今までは、チャンスさえあれば、金正恩を排除して、チャン・ソンテクを押し上げ、傀儡政権をと模索していた。だが、チャン・ソンテクに国家をけん引する能力まではないと見ている中国は、ここにきて金正恩を上手くあやつり、傀儡政権を実現することも可能ではないかと思い出したのかもしれない。これは、まだ現段階ではかなり中国自体にとっても、将来的な掛けではあるであろうが。

金正恩にとっても、自らの命を守るためには、軍部リ・ヨンホに頼るよりも、チャン・ソンテクの背後にいる中国にすり寄った方が、色々な意味で得策であると判断したのであろう。将来的なことを思えば、自由主義国家で生活経験のある自分自身を担保にして、中国を揺さぶり父故金正日がしたように瀬戸際交渉にて立場を確立すればよいと判断したのであろう。少なくとも、その方が生き残りの確立は格段に高い。誰も、死にたいと思っている人間などいない。ましてや、あのような立場にいれば、既得権益を守ることは最重要課題であるはずだ。それには、守ることは、まず改革することと考えたのであろう。その第一段階が、今回のリ・ヨンホ解任劇であり、先軍からの脱却ということであったのであろう。自ら丸腰になることで、損して得取れ、利を得ようということなのだろう。

 実際、北朝鮮の経済状態の現実を金正恩が知らないわけがない。実状を知っていれば、自由主義国家で、資本主義に触れてきた経験のある彼からしたら、思想よりも実である経済発展をとるという考え方は、非常に自然である。その第一歩が、今回のリ・ヨンホ解任劇であり、自らの元帥就任であったのであろう。そして、側に妻を常に置くことで、内外に向かって改革の先頭にたっていることを表そうとしているのではないか。今までとは違う、自由主義諸国と同じように、国民皆に自由があるのだ、ということを間接的にアピールしようとしているようにさえ思える。そのことは、ここのところの北朝鮮での数々の出来事にも表れているように思う。

これは、私の個人的な観測である。だが、裏を返せば、このようになってくれればとも思ってのことであることを理解して頂きたい。私は、歴史上の史実も、親子愛や母性愛、家族愛という愛を排除して考えると真実を見失い、殺伐としたものにしかならず、ある意味本質が見えてこないように普段から思っている。各種愛という化学反応があり、歴史は積み重ねられていくと信じている。何故なら、歴史は、人間によって積み重ねられているからだ。故に、このように歴史を自分なりに、裏返して見るように普段から心掛けている。そのような見方で、北朝鮮も見てみると、リ・ヨンホ解任劇、そして、その直後の元帥就任と、今までの常識とは違った見方ができるように思えてきたので、ここに記すこととした。
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by seizaikai_club | 2012-07-22 16:56 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮ミサイル発射に垣間見える中国の思惑

北朝鮮ミサイル発射に垣間見える中国の思惑
2012年4月9日

  北朝鮮ミサイル発射が目前に迫った。この騒動を通じ、色々なことを我々日本人は学ぶべきだ。大切なことは、北朝鮮にとっての太陽は中国であるということ。そして、日本と韓国にとっての太陽はアメリカであるということだ。賛否両論はあるであろう。だが、現実を直視すればそういうことになる。太陽系において地球をはじめとする惑星は、太陽があって生きていられる。そのことを忘れては、地球の存在はあり得ない。同じことが、北朝鮮にとっての中国、日本や韓国にとってのアメリカと言える。これは現実だ。そのことを忘れて、この問題を議論することはできない。結局のところ、時代は変わっても、少々飛躍した表現だが代理戦争なのだ。冷戦時代以前と違うことは、それぞれの関係国も意志を持っているということだ。日本には日本の意志がある。韓国には韓国の意志がある。そして、北朝鮮にも北朝鮮の意志がある。それを如何に抑止できるかが、中国とアメリカの腕の見せ所である。それには、まず関係各国の思惑をよく理解しなければならない。アメリカは、朝鮮半島にこれ以上の負担を強いられたくない。単刀直入に言えば、戦争をする気はない。できれば、韓国への駐留も最小限の範囲内におさめたい。中国も、北朝鮮をアメリカと直接対峙しないように干渉国として存続させたい。だが、これ以上の負担を強いられたくはない。ましてや、朝鮮半島に核などということは、百害あって一利なしだと思っている。金日恩と密接な関係にある金英徹(キム・ヨンチョル)人民武力部総偵察局長が、故金正日の妹金敬姫(キム・キョンヒ)党部長の隣で拍手をしていることは尋常でない順位を無視した光景であった。これは現在の北朝鮮内部の微妙な力関係を表している。故金正日の実の妹金敬姫党部長の夫即ち金日恩の義理の叔父である張成沢(チャン・ソンテク)は、急激に存在感を表してきた。彼は、故金正日によって四度も左遷された。何故なら、彼は改革路線を推進し、中国と密接な関係を持っているからだ。彼は、金英徹とは微妙な関係だが、新しい軍指導者李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長とは親しい関係にある。どういうことかというと、中国は万が一に備えて、張成沢という捨石を布石することで、金日恩体制が崩壊しても、北朝鮮が崩壊しないように危機管理をしているということだ。金日恩世襲後、対外的に中国は金日恩を煽てている。だが、やはり世襲は望まないということだ。有事の際に、金日恩と共に北朝鮮という国が死なば諸共とならないように選択肢を用意しているのだ。中国にとって北朝鮮は、朝鮮半島統一によりアメリカと直接対峙しないための大切な干渉国であるということだ。日本は、北朝鮮に侮られぬよう領空侵犯があれば迎撃するべきだ。しかし実際には、ミサイル発射は大きな問題ではない。北朝鮮を左右するのはやはり中国であり、極東のパワーバランスの鍵を握るのは中国であるということを理解するべきである。
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by seizaikai_club | 2012-04-09 07:23 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮の今後の有様

北朝鮮の今後有り様
2011年12月20日

昨日、北朝鮮の特別放送により、17日午前8時半に故金正日総書記が心筋梗塞により急逝したとの発表があった。世界中に緊張が走り、色々な憶測が駆け巡った。個人的にいくつかのことを思う。一つは、本当に17日視察中の汽車の中で発作を起こしたのであろうか、大きな疑問をまず感じた。普通に考えて、17日に急逝して、たった2日間で28日の国民葬儀を段取りできるであろうか。非常に不自然である。彼の死に当たっては、準備がいる。どういう形で、発表するか、その後の対応をどうするか、対処しなければならない。にもかかわらず、17日に亡くなり28日に葬儀というのは常識的にいってあり得ないと私は思う。それでは、どういうことかといえば、逆算すれば亡くなったのは17日ではなくそれより以前であったということだ。因果関係はわからないが、ここ少し前に各メディアが興味を示していた北朝鮮アナウンサー女性が姿を消していたことが、故金正日総書記の急逝を暗示していたのではないかと想像できる。多分、彼女が姿を消していた期間に、今後の体制を整えたり、葬儀の時期を計ったり、諸々のことが準備されていたに違いない。死の謎は、この記事では敢えて触れないが、その可能性も色々想像できる。汽車の中は密室、諜報活動に於いては一番暗殺等が為し易い密室であるのは常識だ。だが、そこまで想像することは、もう少し時間を経てからにする。

故金正日総書記の死の謎よりも、興味深いいことは、今後の北朝鮮の行方だ。このことについて、私なりの視点で読み解くこととする。ハッキリ言って、キーポイントはやはり中国だ。中国というのはどれだけ運が強いのか、と今回思った。昨日は、この機に乗じて脱北者が押し寄せることを中国政府は懸念していた。だが、七転び八起き危機を好機にかえてしまう、災い転じて福となす中国らしい方向性を想像することができる。

まず、中国、韓国、日本、そして、アメリカ近隣関係国の利害が、北朝鮮の今後に大きな影響を及ぼす。日本とアメリカは、北朝鮮の存在意味自体どのような形で存在するかに思いを巡らせてはいない。アメリカは、できるだけお金と人を使わずに朝鮮半島の安定が得られればそれでいい。日本も、アメリカと同じようなスタンスだ。一つだけ違うのは、拉致問題解決という点だけである。ところが、中国と韓国は、少々日本とアメリカとはスタンスが違う。韓国では、統一を旗印に表向き南北統一を希求しているけれども、実際には統一が実現すれば経済的に北朝鮮の経済が韓国経済まで道連れにしてしまう可能性が非常に高い。それは、韓国政府にとっても、アメリカにとっても望まないことだ。一方中国政府も、北朝鮮と韓国が朝鮮半島を統一することを望んでいない。理由は、別にあるが、中国政府としては、敵国であるアメリカと同盟関係にある韓国と国境線を接することになってしまう。中国は望まないことだ。中国としては、北朝鮮を死に体状態で緩衝地帯として存続させたいのだ。ところが、故金正日総書記を操るのは案外大変であった。痛みや、経済的な負担も大きかった。ところが、故金正日総書記が亡くなった今、中国として否定的であった世襲問題などの問題も含め、共産主義国として、色々な意味で面目を保つことができる。

今回、故金正日総書記の死という岐路にたち、間髪を入れずに中国が北朝鮮に対し大きく舵を取り出したことは、大いに理解できる。そのメリットを上げてみると非常に多い。1)世襲を形として否定できる。2)傀儡政権を期待できる。3)日本海側の北朝鮮の港を自由に使えるようになる。4)アメリカとその同盟国と直接接触しないための緩衝地帯としての意味。5)中国国内で大きな少数民族である朝鮮族に脱北者が加わる巨大化する独立運動の可能性を抑え阻止できる。6)北朝鮮軍を支配し極東アジア地区のパワーバランスに影響を与えることができる。7)北朝鮮を傀儡政権にしてしまえば、経済的に逼迫するアメリカにとってもプラス面が大きい。8)中国にとっては、アメリカに対し恩を売ることができる。9)中国にとっては、朝鮮半島まで含め、拡大政策の地理的可能性が広がる。このように、数え上げると中国にとってのメリットが非常に大きいことが理解できる。それだけではない。何より、疲弊しきっている北朝鮮国民にとっても、飢えから逃れる一番の近道であるといえる。こうやってみてみると、この形が、どの関係国や当事者たちにとっても、利害が合致し一番望まれる形であることがみて取れる。あとは、改革のスピードである。北朝鮮は最低1年は喪にふすであろうが、中国は足踏みすることなく、迅速に対応するのではないかと私は思っている。多分、北朝鮮軍部の中で、中国とパイプがあり緊密な連携をとれる人材が、その道筋をつけ、徐々に金正恩三代目の包囲網を強くし、飾りものにしていくのではないかと想像できる。多分、唯一、武力による動きが出る可能性は、その時である。勿論、中国側ではなく、金正恩側からである。だが、結果的にいえば、中国に制圧され、粛清する大義名分にされてしまうであろう。中国は、そこまで計算しているかもしれない。そんな風に、私は考える。
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by seizaikai_club | 2011-12-20 09:47 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮軍部による小規模クーデター勃発

北朝鮮軍部による小規模クーデター勃発
2011年2月2日

 時事通信によると、北朝鮮の採鉱現場で、食糧難に抗議しての軍部将官が中心になっての小規模な反乱行動が起こったとのこと。反乱というと少々大袈裟になるかもしれないが、抗議行動であったようだ。しかし、金政権はこれをクーデターととらえ、関係将官を処分したとのことだ。

 本格的な金政権を転覆する目的のクーデターではないようだが、これは極めて異例で、今までこのような情報が入ってきたことはない。これは、いよいよ食糧難が深刻化し、人々は金政権に対し不満を膨らませているということかもしれない。今までは、不満があっても強権独裁政治下の北朝鮮で、政府に反抗することはイコール命を捨てることであった。よって、誰もそんな行動は起こさなかった。だが、ここにきて、三代目への継承劇などのこともあり、疲弊した北朝鮮の人々が動きだしたということかもしれない。アメリカ政府も、今回のこの反乱行動を含め、北朝鮮の今後の動向を極めて注意深く注視することを決めたようだ。アメリカとしては、今朝の産経新聞でも指摘しているが、金正日他界後の金正恩の軍事的暴発、具体的には核弾頭を使っての軍事的行動を極めて高いレベルで懸念している。即ち、暴発に備えての対抗措置へ向かっての準備を開始したということだ。

 少々、飛躍しすぎた話という人々もいるかもしれないが、軍事戦略とはこういうことだ。何かことが起こってからではなく。起こる前に万全を期する。それが米軍ならびにアメリカ政府の中では常識的な対応策なのである。
これがアメリカはじめ他国に於ける危機管理ということだ。残念ながら、日本は、この危機管理意識があまりにも貧弱すぎる。
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by seizaikai_club | 2011-02-12 11:23 | 朝鮮半島情勢

空母二隻体制の布陣を展開する意味

空母二隻体制の布陣を展開する意味
2011年1月6日
 
 2010年12月31日大晦日、米海軍第七艦隊に所属するニミッツ級原子力空母カール・ヴィンソンが、第七艦隊担当地域に到着した。公式には、横須賀基地を母港とする同じく米海軍第七艦隊所属のジョージ・ワシントンの修理に伴うものとされているが、実際にはこれを機会に原子力空母二隻体制で、朝鮮半島ならびに中国へ対し牽制する意味が強いとみられる。

 カール・ヴィンソンは、既に閉鎖されてしまったサン・フランシスコ対岸の街オークランド市アラメダ海軍航空打撃群基地を母港としていた、正に最前線航空攻撃部隊を搭載する空母である。アラメダ海軍基地は、サンフランシスコ湾内にあり、直ぐ目と鼻の先には、トレジャーアイランド海軍第七艦隊司令本部があり、第七艦隊の攻撃主要部隊である。

 彼らの存在は、毎年10月10日にサン・フランシスコで行われるフリート・デー(第七艦隊記念日)でも知られている。この日は、サン・フランシスコの上空をブルーエンジェルスが縦横無尽に飛び回り、私がサン・フランシスコにいたころは、戦闘機がゴールデンゲートの下を潜り抜けたりして、映画さながらのシーンを見せつけてくれていた。現在は、市長からの許可がおりず、そういうシーンも見られなくなってしまったが。

 私が卒業したサンフランシスコ州立大学は空軍プログラムに帰属し、カリフォルニア大学バークレー校は海軍プログラムに帰属しており、複数の親友がこのプログラムに帰属し、戦闘機パイロットやミサイル技師になった。その内の一人は、空軍から海軍航空隊に移行し航空母艦に配属され、その後トップガンへと名誉配属され、父親の会社を継ぐために除隊した。

 余談が長くなってしまったが、このことからも解るように、カール・ヴィンソンがこの時期に、日本に配属された意味は非常に大きい。万が一の朝鮮半島有事を視野にいれての布陣であることは間違いない。空母の配置にしても、昨年のようにロナルド・レーガンなどの最新鋭艦という選択肢があるにもかかわらず、戦闘経験豊富なカール・ヴィンソンを配置した意味は非常に大きいように思う。それだけ、危機感とチャンスをアメリカ軍が感じている証拠であると言っても過言ではない。

 カール・ヴィンソン艦隊は、空母カール・ヴィンソン、巡洋艦バンカー・ヒル、駆逐艦ストックデール、駆逐艦グリッドリー、第17空母航空団で構成されている。この構成内容からも読み取れるように、戦闘経験豊富な俊敏な作戦に対応できる陣容となっている。多分、世界中で、最も戦闘になる確率が高いと判断しての布陣であろう。そのことは容易に読み取れる。

 誤解がないようにして頂きたいが、だからといって彼らが戦争を望んでいるわけではない。最悪のシナリオになっても、即応できる体制を布陣したという意味だ。問題は、この布陣が何時まで続くかということだ。菅政権も、こういうことを真摯に受け止め、目先の党利党略ばかりではなく、国防体制、国益を最優先した判断をするよう望む。間違っても、自衛隊を暴力装置などと揶揄するようなことが二度と繰り返されないことを期待する。
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by seizaikai_club | 2011-01-06 14:42 | 朝鮮半島情勢

ビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事訪朝の意味

ビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事訪朝の意味
2010年12月16日

 今日、ビル・リチャードソン ニューメキシコ州知事が訪朝した。オバマ政権の特使としてではなく、プライベートで北朝鮮側から招待されたとのことだ。その通りだろう。現在、オバマ政権は金正日の予想に反して強硬姿勢を貫いている。この強硬姿勢を打破する目的で、北朝鮮側からビル・リチャードソンは招待されたのであろう。

 彼は、1994年の朝鮮半島危機の際、ビル・クリントン政権下で国連大使を務めており、渦中ソウルのアメリカ大使館におり、北朝鮮の「ソウルを火の海に」という宣戦布告を受け、カーター元大統領をピョンヤンに飛ばした立役者だ。ある意味、北朝鮮にとっては、アメリカを妥協策へと導く隠しカードということなのかもしれない。

 多分、北朝鮮側は、彼を招待することで、オバマ政権との調整役を頼むのではないかと思われる。ある意味、北朝鮮側も現在は手詰まり状態で、砲撃だ、核戦争だと威勢のよいことをいっているが、このままそういう方向に進まされてしまえば、結局は最終的にアメリカによって軍事的に叩き潰されてしまうことになりかねない。それでは困ってしまうので、リチャードソン州知事を来賓として呼び寄せ、打開策を模索しようというところであろう。

 彼は、ビル・クリントンにも近く、現在強硬派の先頭をいくヒラリー・クリントンへの懐柔策にも使えるとみたのであろう。だが、この北朝鮮の思惑は甘い。今回は、そんなに簡単にアメリカ側は折れない。ましてや、ヒラリーの凍った心を溶かそうなどというのは100年早い。女性の恨みは、男性の恨みよりも深くて強い。解凍することは難しいであろう。

 ただ、ここで気になるのは、リチャードソンを歓待しつつ重要な伝書鳩にもしようとしている可能性も考えられる。それは、今回の黄海上での米軍と韓国軍の共同演習へ対しての牽制として、核魚雷ならびに核機雷の存在をアメリカ政府に伝える役目だ。さほど大きな核弾頭でなくとも、航空母艦を沈没させる目的ならば問題ない。核機雷や核魚雷に装着するには十分なのだ。だとすれば、既に、その程度の核弾頭は完成している可能性は非常に高い。そのことを、オバマ大統領に伝えるという役目を、リチャードソンに課す可能性はある。容易には、朝鮮半島には近づけないぞ、という威嚇であろう。

 そうはいっても、核機雷であろうが核魚雷であろうが、万が一アメリカ海軍の艦船をターゲットにしてしまった場合、その後の北朝鮮の末路は言わずと知れている。それをしてしまえば、金正日の首は離れたも同然だ。そんな馬鹿なことを、彼がするわけもないし、そんな度胸はないように思う。だとすれば、結局は今まで通りのただの脅しであり、瀬戸際外交ということになる。

 ここが正念場である。アメリカも、今までのように安易に妥協せず、今回は最後の最後まで強硬に対峙すべきである。そこで北朝鮮側が、どのように出るかを見極める必要があるように思う。それでも、強硬にでてくれば、それはそれ、もう残された道は一つであるということだ。
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by seizaikai_club | 2010-12-16 23:49 | 朝鮮半島情勢

攪乱扇動諜報活動が開始されたとの情報

攪乱煽動諜報活動が開始されたとの情報
2010年12月5日

 韓国ヨンピョン島への北朝鮮による砲撃から2週間が過ぎた。あの衝撃的なニュースが流れて以来、朝鮮半島の緊張は高まっている。そんな状況下、米韓合同軍事演習が黄海で行われ、アメリカ海軍空母ジョージ・ワシントンが、空母としては初めて黄海上を航行し停泊して軍事訓練を行った。続いて、昨日より日米合同軍事演習が、日本海、東シナ海、四国沖、沖縄近海など複数個所で行われている。第7艦隊主要艦船のみならず、400機の戦闘機、爆撃機、対潜哨戒機など、実戦経験のある精鋭航空機軍団も参加し、朝鮮半島を囲む海上は一触即発状態だ。

しかし、北朝鮮も馬鹿ではない。自ら墓穴を掘るようなことはしなであろう。もし、攻撃を仕掛ければ、演習に参加している米軍に叩きのめされてしまうことは火を見るより明らか。喧嘩上手で我が身大事な金正日が、そんなことをするわけがない。北朝鮮が攻撃をするとすれば、合同軍事演習終了後、小規模な攪乱戦のような局地戦であろう。そのターゲットは、必ずしも韓国のみということではない。勿論、我が国日本も含まれると考えた方が自然だ。

 案外日本の政治家は気付いていないが、北朝鮮が核弾頭の製造に成功した暁に、どこをターゲットにするかといえば、それは日本しかない。中国やロシアは、北朝鮮にとっては同盟国。打ち込むはずがない。アメリカ本土までは、現在北朝鮮が所有するミサイルでは現実的には届く確率は非常に低い。韓国は、地続きで近すぎる。特にソウルは、北朝鮮に近すぎ自らも手負いになる可能性が高い。そうやって消去法で、ターゲットをあぶり出せば、日本が残る。アメリカは、そのことを百も承知だ。そうやって逆算していくと、アメリカが対北朝鮮政策をどのようなタイムスケジュールで進めているかが見えてくる。

 アメリカは、北朝鮮が近々再度の核実験を行うとみている。問題は、その後、核弾頭を実際に完成させるまでに、アメリカは北朝鮮問題を決着させたいと思っている。何故なら、北朝鮮が核弾頭を保有すれば、そのターゲットが日本になることは明らかだからだ。そうなる前に、ある程度の決着つけるようなタイムスケジュールをアメリカは立てている。それには、いくつかの理由がある。

 その最大の理由は、北朝鮮の崩壊が秒読み段階に入ったとアメリカの諜報機関が見出したからだ。昨年実施された滅茶苦茶なデノミ以来、北朝鮮国民は困窮を極め、いよいよ追い詰められだした。今までは、金正日強権政治により、北朝鮮国民は反抗することも許されなかった。だが現在は、窮鼠猫を噛む状態で、反抗しなくとも食糧難で餓死の道しかないと追い詰められた北朝鮮国民の心は、既に本音でも建て前でも金正日政権から離れてしまっている。人の心が動いた時、革命や動乱を起こすことができることは、アメリカ諜報機関が何処の誰よりもよく知っている。後は、起爆剤となる、煽動や攪乱の為の諜報活動員が、色々な噂を流布し人々を煽動すればよいだけだ。そして、そのような諜報活動員たちが、既に3ルートより北朝鮮内部に潜入したとの情報が流れてきている。3ルートとは、中国国境ルート、韓国38度線ルート、そして、日本よりの在日朝鮮人による万景峰号ルートだ。

 これらのルートを使った攪乱煽動要員は、既に北朝鮮に入り活動を始めている。民衆による暴動を扇動する目的だ。だが、実際には、他国のケースとは違い、北朝鮮の場合には、民衆を扇動しても大きな影響がでるとは思ってはいない。だがそれでも、アメリカ軍が動くには大義名分が必要なのだ。同時に、このままでは、中国が経済的にも大きな負担を覚悟の上で援助をしなければならなくなる。だが、国際社会でも、存在感を著しく上げてきている中国にとっては、ある意味非常に迷惑な話なのだ。北朝鮮問題で、ジレンマに陥っているのは中国だ。そこで、アメリカは、中国に貸しをつくるべく、水面下で中国と北朝鮮問題で落としどころを模索している。以前にも書いたが、可能性のある選択肢は以下の三つ。

1)アメリカは、北朝鮮金正日政権打倒に手助けはするが、崩壊後は中国が金一家を亡命者として引き受け、大韓国民は自由に行き来が出来るという条件のもと、朝鮮自治区経済特区として中国に帰属させる。
2)韓国によって、朝鮮半島を統一させ、アメリカと韓国主導で民主主義国家を成立させ朝鮮半島の平和を維持する。
3)このまま、北朝鮮という国として存続させ、金正日と金正恩政権を崩壊させる。この選択肢の場合、今まで通りの贅沢な生活と命を保障し、彼等を中国に亡命させ長男金正男をトップに据える。アメリカもしくは中国による傀儡政権を成立させるのだ。この場合、中国寄りになるか、アメリカ寄りになるかは、金正男の考え方によることになる。

 第2案の可能性が高いというコメンテーターが多いが、私は第2案の可能性は一番低いと思っている。韓国にとっては、非常に大きな経済負担となり、アメリカにとっても、朝鮮半島に対する負担が軽減するどころか増す可能性が大きい。また、中国にとっても、国境越しに、アメリカの同盟国と対峙することになり、この案では三者の利害が合致しない。よって、可能性は一番低いと思う。

 第1案は、以前から私がずっと言い続けているアメリカと中国が書いた、一番可能性の高いシナリオだ。この案だと、三者の利害がそれぞれ満たされる。

だが、ここにきて、第3案の可能性が急浮上してきた。何故なら、金正男が彼のCIA人脈と交渉を始めたという噂が流れてきている。この方法だと、金正日と金正恩を中国に強制亡命させるだけですみ、一番北朝鮮にとっても痛手が少ない。それだけではない。アメリカや韓国、中国にとっても、無駄な出費が抑えられ、しかも朝鮮半島の平和が確保できる。

 果たして、どの案で決着がつくのだろうか。暫くは、朝鮮半島から目が離せない。このような緊迫した状況下、どちらにしても、日本政府は、ブレることなく、軸足を確りと定め、地に足を付けて、北朝鮮問題を最優先課題として対処するべきである。軸足がブレれば、その弱みに付け込み、北朝鮮は必ず日本に何らかの行為を仕掛けてくる。今こそ、日本政府、菅政権の危機管理意識と愛国心が問われる時だ。いずれにしても、アメリカの大統領選挙、中国胡錦濤から習近平への権力移譲がなされる二年後までに、何らかの結論が出るように思う。それまでに決着がつかなければ、この問題が泥沼化することは間違いない。やはり、如何なる理由があろうとも、三代世襲で国家が運営されるということは、北朝鮮国民にとっても、世界にとってもこれ以上の悲劇はない。私は、そう思う。
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by seizaikai_club | 2010-12-05 16:28 | 朝鮮半島情勢

北朝鮮による砲撃は偶発的ではなく確信犯

北朝鮮による砲撃は偶発的ではなく確信犯
2010年11月24日

 昨日午後2時30分過ぎ、韓国が黄海上の南北軍事境界線と定める北方限界線(NLL)まで約3キロの韓国領・延坪島(ヨンピョンド)に向け、北朝鮮側から砲弾100発以上が発射され、このうち数十発が島内の韓国軍基地や民家に着弾し、韓国海兵隊兵士2人が戦死、15人が重軽傷を負い、民間人3人も軽傷を負った。この北朝鮮による攻撃に対し韓国軍は、延坪島(ヨンピョンド)北側の対岸約12キロに位置する北朝鮮黄海南道海岸線遠距離砲撃基地へ向け、約80発の報復砲撃で応戦した。

 この北朝鮮攻撃に関し、韓国メディアは特別編成で継続的に特別番組を放送している。日本のメディア各社もトップニュースとして扱い、大手新聞社は号外を発行した。記事内容を見てみると、色々な憶測が錯綜している。金正日が権力継承した際に大韓航空機爆破事件やラングーン爆破事件のようなテロを繰り返し軍部を掌握したように、金正恩への権力継承に伴う軍部掌握のために、故意に南北緊張感を作るための行動であるとか、軍部が指揮系統を崩壊させての独走攻撃であるとか、色々な見方がされた。だが、今回の攻撃には、色々な理由が重なっていると見た方がよいであろう。

 消去法で可能性を消していく。多くの日本メディアが憶測している、北朝鮮軍部ならびに金正日の力が衰えての指揮系統崩壊し、一部軍部が暴走しているということはあり得ない仮説である。北朝鮮のような強権政治による独裁国家に於いて、軍部が独裁者の命令なく暴走するということは自滅を表す。即ち、そのような状態になっている場合は、今回のような敵国へ対する砲撃ではなく、クーデター的な国内への攻撃、独裁者を拘束もしくは殺害という形ではあり得る。だが、そうではなく、今回のような勝手な攻撃は、結局のところ自分の首を絞めるだけで処罰されることが落ちである。誰も、殺されたくはないので、この想定はあり得ないことは明確だ。

 次に、アメリカと韓国へ、交渉のテーブルへつくようにという脅迫という可能性は、大いにあり得る。だが、そのこと単独ではなく、プラス金正恩の力を誇示するという意味など色々なことが重なり合ってということであろう。

 特に、現状北朝鮮は、厳しい状況に置かれていた。中国は内心、三大世襲に反対していた。それはそうだ。共産主義や社会主義国家での世襲は、水と油のようなものだ。二代目までは許したが、三代目までは容認できないというのが中国側の本音だ。また、アメリカにとっては、朝鮮半島問題は重荷であるというのが本音だ。韓国も、統一は理想だが、現実的には経済的圧迫を考えると、李明博大統領の望むところではない。そんな三者の利害が水面下で一致し、北朝鮮政府は板挟み状態にある。そんな状況下、沖縄普天間基地問題で、日米安保に不安定要素が見て取れるようになり、間髪を入れずに中国は尖閣諸島へちょっかいを出したり、ロシアも大統領が北方領土を訪問したりと、極東地区の日米安保が非常に弱体化ように中国、ロシア、そして、北朝鮮には見えている。上記したような諸事情が複雑に絡まり合い、北朝鮮にとっては攻撃を仕掛けるには絶好のタイミングとなったと見ることができる。アメリカの核専門家ヘッカー元ロスアラモス国立研究所長が北朝鮮に招待され2000基のウラン遠心分離器を目撃したり、ボズワース北朝鮮担当特別代表が韓国、中国、日本を訪問したり、色々なことが起こっていた。このタイミングで、黄海では米韓軍事演習が行われ、それを大義名分に北朝鮮は韓国へ対し砲撃をした。非常に計画的だと考える方が自然だ。

 アメリカの核専門家にウラン遠心分離器を見せれば、これは交渉カードになる。金正日が今までにも何度となく行ってきた脅迫の方程式だ。そして、そうすれば、ボズワースが関係各国を緊急訪問することも、北朝鮮側は想定していたはずだ。金正日は、相変わらずなかなかの策士でケンカ上手だ。だが、今回は、一つだけ金正日が読み違えていることがある。それは、アメリカと中国が既に、北朝鮮問題に関し水面下で合意していることがあるということだ。以前にも記したように、アメリカは金政権を崩壊へと導くが、韓国によって朝鮮半島を統一はせず、中国に北朝鮮を帰属させ朝鮮自治区経済特区にすることを認めている。その交換条件として、金一族の中国への亡命と韓国人が自由に38度線を行き来できるようにすることを提案している。その代わり、韓国の駐留米軍を大幅に削減することで、中国側もほぼ合意している。何故なら、国際社会での地位も高まった中国にとって、北朝鮮の存在は目障りになってきたからだ。この中国の出方を、金正日は読み違えている。今までのようにはいかないと、彼は思っていない。

 この合意を実現させるためには、今回の北朝鮮の砲撃は、アメリカにとっても、中国にとっても実は好都合なのである。アメリカも、朝鮮半島に費やす経済的負担も人命的負担も大幅に軽減したいというのが本音だ。実は、歴史を繙くと解るが、アメリカは李承晩政権以来、朝鮮半島で多くのアメリカ人の命や物資やプライドを失っており何も得ていない。まったくこの半島に対して、アメリカは期待していないのだ。ただ、アメリカ的には、人道的な見地から、悪政や飢餓に苦しむ北朝鮮人民を救うという大義名分が成り立つのだ。

 そして、最後に、李明博大統領は、自分の信念を持っている強い大統領であり、対北朝鮮政策に於いては強硬派だ。また、アメリカの国務長官は、夫が大統領だった時に北朝鮮に煮え湯を飲まされ、未だに金正日を恨んでいるヒラリー・クリントンだ。今回金正日は、アメリカ的に言うと、between a rock and a hard place(二進も三進もいかない)ということになるであろう。私は、そんな風に今回の北朝鮮による砲撃事件を見ている。ただ、怖いのは、窮鼠猫を噛むである。追い詰められた北朝鮮には、核の脅威があるかもしれないということだ。日本も韓国も平和ボケしている。また、アメリカも、オバマ大統領は軍事戦略的には軟弱路線を推し進める人だ。そして、金正日の余命は短い。悪条件が揃った。北朝鮮が破れかぶれの暴発をしないことを祈る。
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by seizaikai_club | 2010-11-24 09:04 | 朝鮮半島情勢

李明博大統領の天晴なトップセールス

李明博大統領の天晴トップセールス
2010年11月12日

 韓国の李明博大統領を見ていると、惚れ惚れするほど天晴である。政治家として、国のリーダーとして、しっかりと信念を持ち、微塵もブレルことなく、韓国の為に尽くしている。菅総理をはじめ、日本の政治家たちは見習う必要があるように思う。同じことが、中国の胡錦濤と温家宝にもいえる。これは、尖閣や漁船問題を置いといての話だ。そこのところを理解して頂きたい。

 彼らに共通するのは、トップセールスと行動力、そして、迅速な決断力である。李明博大統領に関しては、やはり財界から成り上がってきた大統領であり、ビジネスの世界でも、彼は日本生まれの韓国人ということで、韓国でもキョッポといわれて差別される立場でありながら、自らの手で成り上がり韓国三大企業の内の一つの企業のトップにまで上り詰めた人だ。経済の動向には非常に敏感であり、また決断力と判断力、そして、洞察力が歴代の大統領の比にならないほど長けているように、私の目には映る。尊敬に値する人物であると、常々思っている。彼が大統領になってからのことを見ていると、地味には見えるが非常に安心感があり、いざとなると非常に迅速な対応をすることが見て取れる。素晴らしい、トップだと私は思う。

 今回の米韓の会談にしても、関税撤廃など素早い対応は何とも天晴だ。また、そういう李明博大統領のリーダーシップと政治家としての資質を、オバマ大統領も認めたからこそ、あのように迅速にことが運んだのだろうと思う。結局のところは、人となりである。相手国のトップは、対峙する相手の人となりを見ているのだ。申し訳ないが、ハッキリ言って、日本の総理大臣とは、レベルがあまりに違いすぎる。小さなことにばかり囚われていて、大局的な見地に立てずにいる菅さんは、やはり総理大臣の器ではなかったのかもしれない。存在感が違いすぎる。

 胡錦濤にしても、アフリカや中東よりの資源確保にあたっては、迷うことなく非常にスピーディーに立ち回った。部下にやらせるのではなく、自ら直ぐに中東へ、アフリカへと飛んで行ってトップセールスを行った。これが本当のリーダーである。もちろん、アメリカの大統領は、歴代皆どこの国とトップよりもアメリカ企業のトップセールスマンとして立ち回っている。当たり前のことである。経済も政治次第でどうにも変わるのだ。

 にもかかわらず、日本の現状は、総理大臣がトップセールスをすると、政治とビジネスが混在してとか、煩いことばかりを言う風潮がある。こういう風潮が、日本の経済を衰退させ、日本の政治家をダメにしているように思う。確かに、一部の大企業に偏向してトップセールスをするのは、よくないことであるが、日本の国として受注して、大企業を通じて中小企業まで仕事が行きわたるようなするのは、国のトップの役目の一つであるように、私は思うのだが。今回のAPECなどは、絶好のチャンスのはずだ。どれだけ、菅総理が、この国を売り込み、この国のためにトップセールスをし、受注してくれるか楽しみだ。正直なところ、あまり期待はしていないが。
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by seizaikai_club | 2010-11-12 07:45 | 朝鮮半島情勢

「政治をもっと身近に」をスローガンにして、日本人にもっと「愛国心」を喚起すべく語る。
by seizaikai_club
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政財界倶楽部代表  恩田将葉
 「政治をもっと身近に」をスローガンに、一人でも多くの日本国民が政治に関心を持ち、参加してくれるよう、執筆活動、出版活動等を通じ「愛国心」啓蒙活動をしている。国際化が進む世界の中で、日本の政治も若者の手で変革しなければならない!!

 政財界倶楽部代表恩田将葉は、 アメリカ合衆国カリフォルニア州で約9年間生活。その間、サン・フランシスコ州立大学(San Francisco State University, SFSU)国際関係学部で国際関係学と政治を学び、朝鮮半島問題専攻で卒業。その後、暫くアメリカで現地法人の会社(People Intertrade, Inc.)を経営した後帰国。帰国後は、記者と編集者を経て出版社である株式会社ぴいぷる社と株式会社政財界出版社、そして、夕刊紙「内外タイムス」を発行する株式会社内外タイムス社の社長に就任。活字業界一筋に生きてきた。現在は、経営から一歩引き、国際情勢ならびに政治を中心に、ジャンルを問わず執筆活動を継続中。プロの文士として、随筆、小説、脚本等あらゆる分野で執筆活動を展開し、文章を綴ることを天職としている。そのかたわら、日本に、嘗てのごとく「愛国人」を増やすべく、「政治をもっと身近に」をスローガンに、自ら「政財界倶楽部」を運営している。

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