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政財界倶楽部         (恩田将葉見聞録)

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関係各国の利害を満たす北朝鮮問題の終着点

関係各国の利害を満たす北朝鮮問題の終着点
2006年10月19日

 外交交渉を進める上で、その解決策は一つでないことは当たり前である。幾通りもの選択肢が存在し、それぞれの関係国の利害や思惑が複雑に絡み合う。それらの利害や思惑を消化しながら、最終地点へと向かうのが外交である。外交とは、地道な交渉と時間を必要とする一大事業である。どんなに努力しても、完璧という、100%満たされた答えを導き出すことは不可能である。何故なら、外交とは、一国の利害や思惑だけで為されるものではなく、複数の関係国の利害や思惑をできるだけ満たす形で解決することであるからだ。完璧ではなく、妥協の上に成り立つのが外交である。

 今回の朝鮮半島危機に際しても、日本、アメリカ、中国、ロシア、韓国、そして、北朝鮮、それぞれの直接的関係国の思惑と利害を満たしての解決を図ろうとするところに難しさがある。特に、朝鮮半島危機に於いては、北朝鮮の思考回路や常識が常軌を逸しているため、解決の糸口を掴むことは至難の業である。

 解決策を模索するには、まずそれぞれの関係国の利害と思惑を整理する必要がある。そして、複雑に絡みあった関係国それぞれの利害や思惑を十分理解したうえで、それぞれの関係国の利害や思惑を一番満たす方法で、解決策を模索するしか方法はない。アメリカも、中国も、ロシアも、日本も、韓国も、それぞれにそのような作業をしている。

■アメリカの利害と思惑■
1)イランやイラクをはじめとする中東での難問を抱えるアメリカは、北東アジア地区で長期化するような戦争はしたくない。ただし、短期的な軍事行動で解決するという選択肢は捨てていない。
2)同盟国である日本や韓国を守る義務がある。
3)核の拡散を絶対に許すわけにはいかない。北朝鮮が核を開発すれば、イランやべネゼーラなど反米国への核拡散の可能性は高く、そうなればアメリカにとっても直接的な脅威になりかねない。
4)ブッシュ大統領の次期大統領は、民主党のヒラリー・クリントンの可能性が非常に高く、そうなれば北朝鮮との二国間協議ということになってしまう可能性がある。そうなれば、金正日の思う壺に陥ってしまう。よって、何としても、残りのブッシュ政権下で、ある程度、北朝鮮問題を解決しなければならない。
5)北朝鮮が崩壊すれば、北東アジア地区における日米ならびに韓米安保に基づくアメリカの軍事的負担を人的にも経済的にも軽減できる。
6)偽ドル、偽タバコ問題の根本的解決。

■中国の利害と思惑■
1)北朝鮮が崩壊すれば、朝鮮半島は韓国により統一される可能性が高い。韓国は、現状アメリカの同盟国である。よって、韓国が朝鮮半島を統一すれば、アメリカを後ろ盾にした民主主義国家と国境を接することになってしまう。それは、極力避けなければならない事態である。
2)北朝鮮が崩壊すれば、大量の難民が中国にも流れ込んでくる。現状でも、中国国内には多くの朝鮮族がおり、そこに北朝鮮からの難民が加われば、一大勢力となり独立運動を起こしかねない。故に、何としても北朝鮮よりの難民流入は阻止しなければならない。
3)北朝鮮内で経済特区を50年間運営するという交換条件の下、多額の経済援助を北朝鮮に対して行っている中国は、それらの援助金や援助事業を焦げ付かせたくない。
4)北京オリンピックと万国博覧会を数年後に控え、朝鮮半島での核保有を北朝鮮に許せば、国際社会での印象が悪くなり、それらの国際イベントに悪影響を及ぼしかねない。
5)本来、共産主義思想に於いて世襲は許されない。ところが、金正日は世襲で北朝鮮の支配者になっていることを、内心中国は許しがたいことと常々思っている。ただ、緩衝地帯として北朝鮮を温存させてきた。しかし、その北朝鮮が核武装するとなれば、中国にとって現政権下で北朝鮮を温存させる意味がなくなる。
6)北朝鮮が開発したロケットは、アメリカや日本まで届く射程距離ということは、中国も射程距離内であるということで、核が開発されれば中国にとっても脅威となる。

■ロシアの利害と思惑■
1)北朝鮮という国は、朝鮮戦争直後、ロシアの思惑によって、金日成という傀儡政権のもと設立された。しかし、ロシアの思惑に反し、金日成は着々と独立国家として北朝鮮を導きだした。そして、最終的には、目付役として北朝鮮政権内に残っていたロシア人を全て追い出してしまった。そのような経緯もあり、同盟国ではありながら、そのことについての恨みをロシアは未だに北朝鮮へ対して抱いている。
2)北朝鮮が崩壊することによって、難民がロシアへ押し寄せることを望んではいない。また、北朝鮮が開発したロケットは、アメリカや日本まで届く射程距離ということは、ロシアも射程距離内であるということで、核が開発されればロシアにとっても脅威となる。

■韓国の利害と思惑■
1)南北統一は、長年の念願。
2)南北離散家族問題や拉致問題の解決。
3)北朝鮮が崩壊した場合、ドイツのケースと酷似し、38度線がなくなったのち、現北朝鮮の経済までをも韓国が支えることになり、経済的負担が非常に大きくなる。
4)北朝鮮が核を保有すれば、韓国にとっては脅威となる。

■日本の利害と思惑■
1)北朝鮮が核を開発すれば、直接的に軍事的脅威となる。北東アジア地区ならびに日本の安全保障上非常に大きな脅威となる。日本国と日本人の日々の安全が脅かされる。
2)拉致問題の解決。
3)憲法や法律問題への波及。
4)北朝鮮が崩壊すれば、在日米軍の駐留規模を縮小することが可能となり、経済的負担も軽減される。また、基地問題等にとっても好材料となる。
5)世界で唯一の被爆国として、核開発には断固とした態度で反対しなければならない。

■北朝鮮の利害と思惑■
1)金正日の命の保障。
2)金正日の現状の生活保障。
3)現政権の存続保障。
4)金融制裁の解除。
5)経済的援助の確保。

 現状、北朝鮮による朝鮮半島危機は、このような関係各国の利害と思惑が複雑に絡まり合っている。これらの利害と思惑を出来る限り満足させながら、それぞれが妥協すると仮定して、解決策を模索してみると、以下のような選択肢が、最終案として浮かび上がってくる。勿論、全ては北朝鮮の出方次第である。北朝鮮の対応次第で、どのようにも答えは変化することを前置きしておく。

 アメリカを中心に、国連による多国籍軍によって、船舶検査もしくは臨検を行う。これは当初より、臨検の場での小競り合いを想定してのものだ。小競り合いが起こったところで、アメリカは正当防衛という大義名分の下、反撃する。当然のことながら、北朝鮮は、ソウルならびに日本へ対しての攻撃を開始する。それを合図に、アメリカを中心とした国連旗の下、多国籍軍は、本格的な軍事行動を開始する。それを機に、中国の人民解放軍は電撃的な速さで中朝国境を越え北朝鮮へと侵攻する。時を同じくして、北朝鮮軍内の反金正日軍人達がクーデターを起こす。そこで、間髪を入れず中国人民解放軍とアメリカを中心とした国連多国籍軍は、北朝鮮に四方からなだれ込み平壌を制圧する。中国人民解放軍は、金正日の身柄を確保する。そして、金正日の命を保障するという交換条件の下、金正日に政権を放棄させる。最終的には、内部よりのクーデターによる金政権崩壊というシナリオだ。金政権に変わる中国による傀儡政権を、間髪を入れずに発足させる。この結果、金正日政権は崩壊する。しかし、北朝鮮という国は存続する。よって、中国、韓国、ロシアへの難民流出を最小限に防げる。また、韓国の経済的負担という問題も考える必要がなくなる。韓国と新生北朝鮮の間では国交を開き、行き来が自由にできるようになる。結果として、離散家族問題も解決される。中国にとっても、民主主義国家と直接国境で接することを避けられ、本当の意味での緩衝国家として北朝鮮を再生できる。また、金正日政権を崩壊させたことによって、拉致問題も解決される。安倍政権も、アメリカも、人道問題解決ということで面子を保てる。朝鮮半島の核問題も解決される。自民党は、参議院選挙でも大勝し、安倍政権も小泉政権のごとく長期政権の可能性を得る。そして、何より、アメリカは、イランをはじめとする中東問題を抱える状況下、北東アジアで長期戦を強いられずに済む。また、イランやべネゼーラへの核拡散も防げる。最後に、北朝鮮国民が飢餓から救われ、人間らしい生活を夢見ることもできるようになる。金正日は、中国に身柄を確保され、命と人並み以上の生活が保障される。その結果、酒池肉林の余生を送る。しかし、健康的に問題を生じ、数年後、病に倒れ、悪しき独裁者として歴史の1ページにその名をとどめ、淋しくこの世を去る。死後、金正日は毒殺された、という噂がたつが、自業自得と人々は冷ややか。全ての関係国の利害と思惑が最大限満たされる終着点は、このようなシナリオにより導き出される。唐家璇、ライス、各国の重鎮が動き出した。それぞれの国の重鎮達は、上記したようなシナリオを描くべく、それぞれの利害と思惑に基づく外交交渉を開始した。間違いなく、歴史は動き出した。ただ、もう一つ、可能性が残されている。それは、ギリギリのところで、金正日が軟化するという可能性だ。核カードを捨てることをチラつかせながら六カ国協議を受け入れ、その交換条件として経済援助を主張する。この可能性も、まだ捨てられない。何故ならば、チキン・レースをする金正日は、自分の命が最優先のチキン(chicken:臆病者)だからだ。
by seizaikai_club | 2006-10-19 14:22 | 朝鮮半島情勢
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「政治をもっと身近に」をスローガンにして、日本人にもっと「愛国心」を喚起すべく語る。
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政財界倶楽部代表  恩田将葉
 「政治をもっと身近に」をスローガンに、一人でも多くの日本国民が政治に関心を持ち、参加してくれるよう、執筆活動、出版活動等を通じ「愛国心」啓蒙活動をしている。国際化が進む世界の中で、日本の政治も若者の手で変革しなければならない!!

 政財界倶楽部代表恩田将葉は、 アメリカ合衆国カリフォルニア州で約9年間生活。その間、サン・フランシスコ州立大学(San Francisco State University, SFSU)国際関係学部で国際関係学と政治を学び、朝鮮半島問題専攻で卒業。その後、暫くアメリカで現地法人の会社(People Intertrade, Inc.)を経営した後帰国。帰国後は、記者と編集者を経て出版社である株式会社ぴいぷる社と株式会社政財界出版社、そして、夕刊紙「内外タイムス」を発行する株式会社内外タイムス社の社長に就任。活字業界一筋に生きてきた。現在は、経営から一歩引き、国際情勢ならびに政治を中心に、ジャンルを問わず執筆活動を継続中。プロの文士として、随筆、小説、脚本等あらゆる分野で執筆活動を展開し、文章を綴ることを天職としている。そのかたわら、日本に、嘗てのごとく「愛国人」を増やすべく、「政治をもっと身近に」をスローガンに、自ら「政財界倶楽部」を運営している。

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