政財界倶楽部         (恩田将葉見聞録)

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ライブドア事件に関連してエイチ・エス証券副社長野口英昭が自殺した謎

ライブドア事件に関連してエイチ・エス証券副社長野口英昭が自殺した謎
2006年2月16日

 1月16日の午後6時30分過ぎ、突然六本木ヒルズの風雲児の一人堀江貴文元社長率いるライブドア本社に東京地検特捜部による強制捜査が実施された。同時に、ライブドア関連施設の全てに強制捜査が東京地検により執り行われた。その中に、故野口英昭エイチ・エス証券副社長の自宅も含まれていた。1月16日の段階では、故野口エイチ・エス証券副社長の自宅も家宅捜査されていることなど、ニュースになるどころかマスコミの記者達もまったく眼中になかった。
 ところが、二日後の1月18日、沖縄県那覇市のホテルでエイチ・エス証券副社長野口英昭氏が手首や腹などを切って自殺という一報で、各界に衝撃が走った。なぜならば、この故野口という人物は、ライブドアの前身オン・ザ・エッジ時代から非常に堀江氏に近い人物であったからだ。実際、エイチ・エス証券の副社長というポストの前職は、ライブドアの役員であった。
 このニュースの一報が入った直後に、印象深かった映像が二つあった。一つは、野口氏が副社長を勤めていたエイチ・エス証券の社長が記者会見の席で号泣していたシーンだ。第一印象は、自社の副社長が不本意ながら自殺した衝撃で、部下を思う一心での号泣と目に映った。大きなシンパシーを感じた視聴者も多かったはずだ。しかし、次の瞬間、別の衝撃が走った。どれだけの視聴者が気付いたかは疑問だが。よく見ると、その号泣している社長は、格安航空券販売で一世を風靡した旅行代理店株式会社エイチ・アイ・エスの澤田秀雄社長であったからだ。確かに、業界の異端児とまで言われた澤田社長のノリから言えば、堀江氏のような人物に非常に興味をもつのも自然な感じがする。そして、ライブドアの事業内容にも興味を持っても不思議がない。しかし、その意外性に、正直少々驚いた。だが、澤田社長のここ数年の言動を振り返ってみると、金融ということ、特に証券ということに大きな興味を示していたことも事実である。そんな思惑から、きっとライブドアの事業に興味を持ち、やはり異端児で自分と同じ匂いのする堀江貴文という男に、大きな興味を示したことは容易に想像できる。
 ただ、故野口氏が副社長を勤めていたエイチ・エス証券の社長はエイチ・アイ・エスの澤田社長であるということを認識した上で、あの記者会見を改めて見直すと、あの号泣シーンには何か色々な思いがあるのではないか、と勘繰りたくなるのは私だけではないはずだ。
 澤田秀雄社長は、1951年生まれの55歳。西ドイツのマインツ大学に留学し、その頃世界各国を遊学していたと聞く。そして、海外に於ける格安呼び寄せチケットなどの存在をしり、日本でも格安チケット販売ができるのではないか、と思い立っての起業であったらしい。当初、「東京インターナショナルツアーズ」という格安チケット販売専門の旅行代理店を東京新宿に設立し、みるみる急成長した。1990年には株式会社エイチ・アイ・エスと社名変更し、1995年には店頭公開も果たし、世間の知るところとなった。その後、国内で4番目の航空会社「スカイマークエアラインズ」を設立し、一躍世間の注目の的となった。業界では、異端児と呼ばれ、保険、証券、ホテルなど、事業も多角化し、急成長を成し遂げている。それだけに、色々な噂も陰ではたっている。だが、押しなべて言えば、若い力を活かし、既成の体制には囚われず、自ら信ずる道を突き進み成功を果たした、という良い印象の方が強い人であるように思う。若い力を尊重し、決して蔑ろにはしない良い経営者の一人なのではないか。ただ、急成長の陰には、必ず無理があることも世の常である。少々話が長くなってしまった。もう一つの気になるシーンに移ることにする。
もう一つの気になったシーンとは、故野口氏自殺の第一報を記者から聞かされた時の堀江氏の言動を映し出した報道映像である。あの時の堀江氏からは、本当に不意を衝かれ狼狽した様子が窺い取れた。その証拠に、泣きそうな顔で、堀江氏は次のように吐露した。「もう、誰も死なないでよ。お願いしますよ」と。あの表情と言葉に嘘はなかった。そして、あの時、不意を疲れた堀江氏は、無防備に胸中を晒してしまった。あの時の言動が、最初で最後、堀江氏は心の扉に鍵を掛けた。私には、そう見えた。堀江氏が、何で野口氏が亡くなったのかもわかっている、ということを体言してしまった瞬間であった。正気に戻った堀江氏は、あの時心に誓ったはずである。二度と、何があっても全ては自分の腹の中に納めてしまおうと。それは、裏を返せば、彼は全てを知っているとも言える。しかし、彼自身が吐露しない限り、誰の目にも触れることはないであろう。
 共通の印象を、澤田社長の記者会見でも感じた。不意を衝かれた澤田社長は、憚ることなく号泣した。多分、今回の故野口氏の自殺は、澤田社長にしても、堀江氏にしても、はじめて社会の怖さを垣間見た瞬間であったのであろう。それまでは、イケイケドンドンで、頑張れば何でも自分達の思い通りの結果を得ることができると信じやってきた。実際に、思い通りの結果も手中に収めてきた。しかし、故野口氏の自殺は、まったくの計算外であったというか、彼らにとってはアニメの世界でのみ起こりうるフィクションでしかなかったのだ。ところが、現実問題として、故野口氏の死ということを受け止めなければならない状況に直面した二人。二人にとっては、人生最大の誤算であり、社会を舐めたことを実感した瞬間であったのだろう。それが、あの記者会見の澤田社長の号泣と堀江氏のうろたえた言動として表れたに違いない。
 不思議なことは、まだまだ沢山ある。例えば、あれだけ大騒ぎになった故野口氏の自殺である。にもかかわらず、どこのメディアも、まったく澤田社長がエイチ・アイ・エスの社長であることには言及していない。確かに、皆が言わなくても知っているという認識での報道であればそういうことも考えられる。しかし、澤田氏の場合は、まだまだ知る人ぞ知る、と言う程度だ。にもかかわらず、ほとんどのメディアは、まったくと言ってよいほど、澤田社長がエイチ・アイ・エスの社長であることには触れなかった。意図的としか思えない。各メディアにとっての重要スポンサーというかクライアントだからなのか? それで報道できないというのなら、今のマスメディアは腰抜けとしか言いようがない。エイチ・アイ・エスとライブドア、堀江氏と澤田氏という取り合わせほど、興味深いコンビネーションはないと思うのがジャーナリストではないのか。不思議で仕方がない。何らかの圧力が働いたのではないか、何らかの思惑が働いたのではないか、と勘繰りたくなるのは私だけではないはずだ。

 最後に、故野口氏の自殺か他殺かという議論に関し、私の考える可能性を記しておく。実際に事故現場を検証したわけではないので、あくまで可能性としての参考意見として読んで頂きたい。
 各局のワイドショーが、盛んに他殺説を裏付ける証拠を探し、面白おかしく番組にしていた。確かに、強制捜査の二日後、身柄が拘束されているわけでもなく、事情聴取がされているわけどもない。任意同行を求められたわけでもなく、ましてや調書がとられたわけでもない。にも拘らず、何故あんなにも焦って自らの命を絶たなければならなかったのか、ということを考えると他殺説が浮上することは自然な流れである。まして、妻も子もある三十代働き盛りの男である。三十代にしては、異例の速さで財もなしているわけだ。自殺の必要性を考える方が難しい。例え前科がついたとしても、既に財を築いているわけであるし、現状直接的にライブドアの社員でも役員でもないわけである。罪に問われて、個人的財産まで没収されるということもないはずだ。そんな彼に、死に急ぐ必然性が見出せない。
 沖縄県警も公安委員会も、故野口氏の死は自殺であったと断定した。その根拠として、野口氏が自殺をはかったカプセル・ホテルの一室は密室であり、第一発見者が部屋を訪れた時、故野口氏の部屋のドアには内鍵が掛けられ、その上ロッカーがドアの所にバリケードされていた、と言っていた。
 ここで、一つ可能性を上げてみる。現場を検証していないので断定はできないことは、了承して頂きたい。他殺であったとしても、内鍵を掛けロッカーでバリケードをすることは十分可能である。プロの犯行であれば、よくある手口だ。そのホテルの部屋の様子がわからないが、もし殺人犯が身を潜めることができる場所が部屋の中にあれば可能である。別に大きなスペースは必要ない。自分の身を隠せればよい。
 まず、当然のことながら、故野口氏の顔見知りであろう。故に、故野口氏は騒いではいない。顔見知りということで気を許している故野口氏が油断した隙に、最初に故野口氏の喉を掻き切る。何故ならば、声を出されては困るからだ。これは、特殊部隊の訓練でも基本中の基本である。そして、次に、致命傷を負わせる。今回の場合、まず喉を掻き切り、その後、自殺に見せかけるために手首を切り、なかなか絶命しないので焦った殺人犯は腹をも切り裂いたのではないか。勿論、死のうと思っている人間が、手首を切り、腹を切り、喉を切るということは不可能ではない。ただ、突発的に起こった強制捜査、それからたった二日の内に、そういう強烈な方法で死ぬだけの勇気も度胸も普通の人間では持ち合わせない。
 鍵に関しては、簡単な問題である。殺人犯が身を潜められるスペースが、多少でも室内にあれば可能だ。まず非常ベルを押し、殺人者はそのスペースに身を隠す。非常ベルを聞きつけたホテル関係者が駆けつける。しかし、ドアには内側から鍵が掛かっている。それどころか、ロッカーでバリケードまで為されている。当然のことながら、駆けつけた第一発見者は中には誰もいない。自殺と思い込む。内側から鍵が掛かっていて、バリケードまでされていて、窓から逃げ出した形跡もなければ、普通の人間ならそう思い込む。内鍵を開け、バリケードを押し開ける段階で、尋常ではない空気を第一発見者は既に感じ取っていたはずである。ということは、かなりの興奮状態に陥っていたはずだ。その上、中に入ってみると、故野口氏が虫の息で、しかも血だらけで横たわっている。当然のことながら、自分の胸の高鳴りさえ聞こえるほどに興奮し、恐怖感に苛まれながら110番通報するためフロントに駆け戻ったはずである。動揺どころか、腰が抜けてしまうほどの衝撃であったことは想像がつく。そんな人間が、冷静に部屋の中を見回し確認できるはずもない。逃げるようにして、走り出たはずだ。第一発見者が、部屋を走り出た直後、殺人犯は悠々と部屋を後にすることができる。そして、110番通報した第一発見者が、他の人間をも誘って故野口氏の部屋に戻ったことも容易に想像がつく。即ち、その瞬間、フロント近辺、出入り口にも空白時間と空間ができる。その隙を狙って、殺人犯はそのカプセル・ホテルを人目につかず後にすることが可能なのだ。
 テレビの画面で見た範囲では、身を隠す場所は限られていたように思える。しかし、相手がプロならば、決して不可能ではない。バリケードに使用されていたロッカーだって可能なはずだ。第一発見者は、ただならぬ殺気を感じ取り尋常ではなかったわけであるから、押し開ける際のロッカーの重みまでは正確に覚えてはいないはずである。故野口氏の傍らに置かれていたTシャツが、彼の遺留品とは思えない旨、テレビで野口夫人が盛んにアピールしていたが、その通りであろう。人は、めったなことでは自分の趣味に反する衣服を身に着けない。特に、金銭的に余裕のある人間はである。そのTシャツは、殺人者が故野口氏を殺害する際、返り血を遮るために着用したと考える方が自然かもしれない。
 この事件には、まだ不思議な点がいくつもある。全てを挙げるときりがないので、一点だけ最後に挙げておく。それは、何故、金銭的に困っていない故野口氏がカプセル・ホテルに宿泊する気持になったのかということだ。しかも、過去の宿泊記録に野口氏の名前は記載されていないにもかかわらず、以前にも泊まったことがあるので勝手はわかっている、というようなことをチェック・インの際、故野口氏は言い、係りの人間の説明をも鬱陶しそうにしたという。常識的に考えて、傷心旅行でカプセル・ホテルというのは不自然である。しかも、金銭的に恵まれた環境にある故野口氏が、迷うことなくこのカプセル・ホテルを目指したこと自体、非常に不自然である。故野口氏が副社長を勤めたエイチ・エス証券の親会社であるエイチ・アイ・エスにとっては、こんな人知れないカプセル・ホテルは、得意中の得意の分野だ。なんせ、格安チケットで上場した会社だ。格安ツアーを組む際、利用していたカプセル・ホテルの一つである可能性は高い。その辺のことは、警察が調べれば直ぐにもわかるはずである。故野口氏は、このカプセル・ホテルのことは詳しくないし初めてであったが、彼を沖縄に呼び寄せた人間は、このカプセル・ホテルのことをよく知っていた。だから、故野口氏の口からも、説明は必要ないような言葉が出たのであろう。大体、故野口氏は、沖縄が大好きだったらしい。その大好きな場所に傷心旅行で来て、何故カプセル・ホテルなのか。おかしいではないか。そこまで、若くして極めた人間が、自殺だとしても、最後の場所をカプセル・ホテルに選ぶだろうか? 金にモノ言わせて、沖縄まで無計画に飛んできた男がである。大きな疑問を感じざるを得ない。あまりにも不自然なことが多い故野口氏の自殺に関しては、もう一度一から捜査し直すべきである、と強く思うのは私だけではないはずだ。
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by seizaikai_club | 2006-02-16 14:51 | 社会
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「政治をもっと身近に」をスローガンにして、日本人にもっと「愛国心」を喚起すべく語る。
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政財界倶楽部代表  恩田将葉
 「政治をもっと身近に」をスローガンに、一人でも多くの日本国民が政治に関心を持ち、参加してくれるよう、執筆活動、出版活動等を通じ「愛国心」啓蒙活動をしている。国際化が進む世界の中で、日本の政治も若者の手で変革しなければならない!!

 政財界倶楽部代表恩田将葉は、 アメリカ合衆国カリフォルニア州で約9年間生活。その間、サン・フランシスコ州立大学(San Francisco State University, SFSU)国際関係学部で国際関係学と政治を学び、朝鮮半島問題専攻で卒業。その後、暫くアメリカで現地法人の会社(People Intertrade, Inc.)を経営した後帰国。帰国後は、記者と編集者を経て出版社である株式会社ぴいぷる社と株式会社政財界出版社、そして、夕刊紙「内外タイムス」を発行する株式会社内外タイムス社の社長に就任。活字業界一筋に生きてきた。現在は、経営から一歩引き、国際情勢ならびに政治を中心に、ジャンルを問わず執筆活動を継続中。プロの文士として、随筆、小説、脚本等あらゆる分野で執筆活動を展開し、文章を綴ることを天職としている。そのかたわら、日本に、嘗てのごとく「愛国人」を増やすべく、「政治をもっと身近に」をスローガンに、自ら「政財界倶楽部」を運営している。

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