政財界倶楽部         (恩田将葉見聞録)

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金正恩の立場と本音

金正恩の立場と本音
2012年7月22日

 突然の朝鮮人民軍総参謀長リ・ヨンホの解任のニュースが、先週世界中を駆け巡った。北朝鮮内部で、大きな動きがあるのではないかという憶測が飛び交い、日本を含め多くの関係国が固唾を飲んだ。だた、実際には、真実を未だ読み取ることできずにいる。その直後、金正恩が元帥の称号をえられたというニュースが再び世界を駆け巡った。その他にも、金正恩の傍らに付き添う女性が妻なのか妹なのかという話が、同じ頃人々の興味をひいた。どれもこれも、憶測でしかない。だが、それらの目に見える事実を客観的に分析すると、自ずといくつかの答えが見てくるように思う。

 報道直後、短絡的に誰もが考えたことは、中国寄りの叔父チャン・ソンテクと軍部の権力者リ・ヨンホ氏の確執が形となり、結局リ・ヨンホが負け失脚することになり、一挙にチャン・ソンテクの勢力が政権内部の大きな力にとってかわったのではないか、ということだった。だが、冷静にこれらの動きを見聞しつつ、金正恩の経歴に思いを巡らし、彼の立場を鑑みれば、ある答えが自然と出てくるように私は思えてきた。それは、政治的でも、軍事的でもなく、金正日と金正恩という親子関係からの思いの違いということだ。子金正恩の親への反抗心ということであるように思える。正恩は正日を親として尊敬している。だが、その遣り方に関しては、必ずしも意見を同じくしていたのではないかということだ。存命中は、そういう風には言わなかったが、海外経験のある正恩としては、反発する気持ちもあったのではないかと思われる。

 普通この十代から二十代の時期、男は男親の遣り方を否定することから、全てが始まる。勿論、誰もがそうであるとはいわないが、その確率は高い。私の場合もそうであった。今は、亡父を尊敬し、あの頃の亡父の立場や遣り方も理解でき受け入れることも、いやそれどころか自分が間違っており、亡父が正しかったとさえ思えるようになった。だが、十代、二十代の頃は、一番身近なライバルとして馬鹿げてはいるが1から10まで否定してしまう傾向がある。特に、海外経験などをしてくると、その傾向が顕著であるように、自分の経験を踏まえ感じる。

 金正恩も、正にそのような心境にあるのではないか。それだけではない。彼の場合は、命懸けである。私のような俗人ではなく、一つ目の前の選択肢を誤ってしまえば、途端に命を落としかねない綱渡り的な状況に身を置いているのだ。笑いごとではなく真剣だ。少々、話が逸れてしまったが、そういう状況に彼は身を置いている。ここで、話を本題に戻す。

 金正恩は、海外で見聞を広げ教育を受けている。自由主義国家に身を置き、資本主義社会も、世界のことも彼自身の目と耳で見聞した経験がある。当然、北朝鮮という国が、世界で特異な国であることも、彼自身が一番理解しているはずだ。そのような、経験をした人間が、あの国の元首となったのだ。変革が起こって当たり前。だが、新しい動きへの反発は大きいはず。その反発を静かに回避しながら、現実のものにしていくことが、彼にとっての試練であり役目であるように感じる。その第一弾が、今回のリ・ヨンホの解任劇であったように私は感じている。当初、叔父チャン・ソンテク一派により為された権力闘争と思っていたが、自分の側近中の側近、軍部へのパイプ役であったリ・ヨンホを解任し、死に追いやったのは金正恩自身であったように思えてきた。何故なら、考えても、リ・ヨンホのような人間が、海外で見聞経験のある金正恩と思想信条を共有できるとは思えないからだ。リ・ヨンホは、金正恩の父親故金正日によって側近として側に着けられ親しくしていた。だが、どんなに親しくしていたとしても、心の根っこの部分では相容れないところがあったのではないか。だが、リ・ヨンホからしたら、「正恩同志の若気の至り」と一蹴していたのであろう。正恩の考えに耳を傾けるようなことはなかったはずだ。その結果、今回のような解任劇に発展したのではないかと思える。しかし、それは、衝動的な解任劇ではなく、金正恩としては、故金正日が亡くなった日以来、虎視眈々と時期を待っていたのではないか。何時かは、リ・ヨンホを遠ざけ、自分が海外で学んできたことを自由闊達に実現させたいと。そのためには、先軍政治を止め、比重を軍から党に移行しなければと思ったように思う。それは、ある意味尊敬する彼の祖父金日成への回帰でもあり、国民が望んでいることでもあるように正恩は思ったのではないか。

 現在の政権内部では、多分金正恩にとっては、中国とパイプが太く、北朝鮮外部の世界を間接的ではあるが知っているチャン・ソンテク叔父との方が、多分意見も考え方も合うのであろう。義理とはいえ叔父という立場であり、きっと親近感があるのであろう。ある意味、北朝鮮内部では、保守ではなく革新だ。外国経験のある金正恩も革新といっていいだろう。だとすれば、受け入れやすい立場であるに違いない。そのような状況下、諸々の環境が熟し、奇襲的にリ・ヨンホ解任劇が為されたのではないか。流血の事態になり、20名ほどの人間が命を落としたと聞いている。多分その犠牲者の中に、リ・ヨンホ自身がいたに違いない。後の反発、クーデターを懸念すれば、国の為に粛清して当然であろう。

 それでは、今回のリ・ヨンホ解任劇の理由は何であった? 答えは簡単だ。一番の理由は、リ・ヨンホが韓国砲撃事件の張本人であったということだ。世界的にも、故金正日的にも、金正恩の手柄づくりにあの砲撃事件が為された。だが、金正恩本人としては、非常に心外で望んでいなかったことであったのであろう。海外経験があり、自由主義国家で生活したことのある人間だ。そう考えて当然。彼からしたら、多分あの砲撃事件は、多くの罪なき人々の命を絶った不名誉な事件であったと感じていたのであろう。同時に、父親である故金正日が推し進めていた先軍政治自体に、大きな疑問を感じていた。自分が元首になった場合、亡父故金正日の推し進めた体制ではなく、尊敬する祖父である故金日成のような党主導の体制を推し進めたいと思ったのではないか。その証拠に、彼は風貌を祖父に似せるだけでなく、彼の立ち居振る舞いなども非常に故金日成を意識していることは見て取れる。チャン・ソンテクの後ろ盾になっている中国政府も、そんな金正恩を、故金正日よりも御し易いと思いだしているのではないか。そもそも、本来中国政府は、立場上、北朝鮮の世襲を快く思っていなかった。今までは、チャンスさえあれば、金正恩を排除して、チャン・ソンテクを押し上げ、傀儡政権をと模索していた。だが、チャン・ソンテクに国家をけん引する能力まではないと見ている中国は、ここにきて金正恩を上手くあやつり、傀儡政権を実現することも可能ではないかと思い出したのかもしれない。これは、まだ現段階ではかなり中国自体にとっても、将来的な掛けではあるであろうが。

金正恩にとっても、自らの命を守るためには、軍部リ・ヨンホに頼るよりも、チャン・ソンテクの背後にいる中国にすり寄った方が、色々な意味で得策であると判断したのであろう。将来的なことを思えば、自由主義国家で生活経験のある自分自身を担保にして、中国を揺さぶり父故金正日がしたように瀬戸際交渉にて立場を確立すればよいと判断したのであろう。少なくとも、その方が生き残りの確立は格段に高い。誰も、死にたいと思っている人間などいない。ましてや、あのような立場にいれば、既得権益を守ることは最重要課題であるはずだ。それには、守ることは、まず改革することと考えたのであろう。その第一段階が、今回のリ・ヨンホ解任劇であり、先軍からの脱却ということであったのであろう。自ら丸腰になることで、損して得取れ、利を得ようということなのだろう。

 実際、北朝鮮の経済状態の現実を金正恩が知らないわけがない。実状を知っていれば、自由主義国家で、資本主義に触れてきた経験のある彼からしたら、思想よりも実である経済発展をとるという考え方は、非常に自然である。その第一歩が、今回のリ・ヨンホ解任劇であり、自らの元帥就任であったのであろう。そして、側に妻を常に置くことで、内外に向かって改革の先頭にたっていることを表そうとしているのではないか。今までとは違う、自由主義諸国と同じように、国民皆に自由があるのだ、ということを間接的にアピールしようとしているようにさえ思える。そのことは、ここのところの北朝鮮での数々の出来事にも表れているように思う。

これは、私の個人的な観測である。だが、裏を返せば、このようになってくれればとも思ってのことであることを理解して頂きたい。私は、歴史上の史実も、親子愛や母性愛、家族愛という愛を排除して考えると真実を見失い、殺伐としたものにしかならず、ある意味本質が見えてこないように普段から思っている。各種愛という化学反応があり、歴史は積み重ねられていくと信じている。何故なら、歴史は、人間によって積み重ねられているからだ。故に、このように歴史を自分なりに、裏返して見るように普段から心掛けている。そのような見方で、北朝鮮も見てみると、リ・ヨンホ解任劇、そして、その直後の元帥就任と、今までの常識とは違った見方ができるように思えてきたので、ここに記すこととした。
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by seizaikai_club | 2012-07-22 16:56 | 朝鮮半島情勢
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「政治をもっと身近に」をスローガンにして、日本人にもっと「愛国心」を喚起すべく語る。
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政財界倶楽部代表  恩田将葉
 「政治をもっと身近に」をスローガンに、一人でも多くの日本国民が政治に関心を持ち、参加してくれるよう、執筆活動、出版活動等を通じ「愛国心」啓蒙活動をしている。国際化が進む世界の中で、日本の政治も若者の手で変革しなければならない!!

 政財界倶楽部代表恩田将葉は、 アメリカ合衆国カリフォルニア州で約9年間生活。その間、サン・フランシスコ州立大学(San Francisco State University, SFSU)国際関係学部で国際関係学と政治を学び、朝鮮半島問題専攻で卒業。その後、暫くアメリカで現地法人の会社(People Intertrade, Inc.)を経営した後帰国。帰国後は、記者と編集者を経て出版社である株式会社ぴいぷる社と株式会社政財界出版社、そして、夕刊紙「内外タイムス」を発行する株式会社内外タイムス社の社長に就任。活字業界一筋に生きてきた。現在は、経営から一歩引き、国際情勢ならびに政治を中心に、ジャンルを問わず執筆活動を継続中。プロの文士として、随筆、小説、脚本等あらゆる分野で執筆活動を展開し、文章を綴ることを天職としている。そのかたわら、日本に、嘗てのごとく「愛国人」を増やすべく、「政治をもっと身近に」をスローガンに、自ら「政財界倶楽部」を運営している。

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