予期されていた震災によるみずほ銀行のシステム障害
2011年3月18日
一昨日から、みずほ銀行で大規模なシステム障害がでている。私が親しくさせて頂いていた故山本勝東京電力副社長は、震災等で首都の電力供給に問題がでた際、このような銀行等のマザーコンピューターに大きな支障が生じることを懸念していた。停電は、言い方が悪いが、ローソクなどで対応して頂けば済むが、20分以上停電が続けば、マザーコンピューターがダウンする。そうするとそのマザーコンピューターを正常な状態に復帰するには、2週間以上掛かる。このことを、故山本副社長は非常に心配していたのだが、そのことが現実化した。
なぜ、みずほ銀行だけなのかということは、私の推測だが、多分みずほ銀行のマザーコンピューターが設置されている場所が、計画停電になったのであろう。これも私的推測だが、みずほ銀行は震災を考慮して、心臓部であるマザーコンピューターを23区内ではなく、震災でも影響がでないように首都郊外か他県に設置したのであろう。ところが、東京電力は首都機能を守るために、可能な限り23区内首都機能が集中する地区を外して、郊外を中心に計画停電を行ってしまった。このことが、裏目にでてみずほ銀行はシステム障害に陥ることになってしまったということであろう。
嘗て、故山本東電副社長は、計画停電等の可能性も言及していた。「万が一首都が被災した場合や原発地区が被災した場合、政府機関、インフラならびに銀行等、国民生活に直結するマザーコンピューターが設置されている地区が停電地区に入らないよう、東電の方で配慮することが必要である」と言っていた。正に、その予測が的中してしまったということだ。ただ、ここで悲しいことは、そんな故山本副社長の思いが、東京電力の中で継承されていないということだ。何故、山本副社長は、あんなに早く他界してしまったのであろう、と思ってしまうのは私だけではないはずだ。