ホテル・ルワンダ
2009年5月31日
昨晩、ケーブルTVで映画「ホテル・ルワンダ」を観た。以前より、観なければと思っていた映画だ。非常に大きな感銘を受けた。古今東西を問わず、人間とは何と浅はかで、残酷で、冷酷無比な存在なのだろうと心が強烈に痛んだ。しかし、あのような理不尽で危険な状況下でも、自分の命を掛けて、家族を守り、他人を守ろうとする人がいるのも同じ人間の為せる業である。
ユダヤ人を命懸けで救けたシンドラーにしても、杉原千畝にしても、マザーテレサにしても、自分の人生を掛けて、自分の命を掛けて、自分以外の人間の命を必至に守ろうと奔走した心に愛が満ち溢れている素敵な人もいる。残酷な反面、そんな愛に満ちた人々もいる。それが人間だ。本当に素晴らしいことである。
ミャンマーをはじめ、アフリカや中央アジアから中東にかけては、まだまだ、理不尽な一部の人間の私利私欲や自分勝手な思惑によって、多くの民が苦しめられている国々がある。自分達の力ではどうしようもなく、人道支援を待ち望んでいる人々がそんな国々にはたくさんいる。にもかかわらず、物質文明に翻弄され溺れた社会に身をおく私は、何一つ他人のために働くこともできずに日本にいる。大学時代に、学んでいたことを、自分のことばかりで忘れ去っていた。そんな忘れかけていた熱い思いを、映画「ホテル・ルワンダ」は回帰させてくれた意味深い映画であった。
人のために心を砕き、人のために自分の時間を費やす。誰にでもできることであるのだが、なかなか難しいこと。「誰もが、ほんの少し、人のために心を砕き、時間を費やせば、もっとこの世界は平和になる」という大学時代の恩師から言われた言葉が脳裏に蘇った。心に深く響き、そんな思いに立ち返らせてくれる、映画「ホテル・ルワンダ」はそんな意味深い映画であった。